芸術学部では,授業内容の改善や更なる向上を目指して,教育内容・方法等をはじめとする研修会や様々な取り組みを年間を通して行っています。
このような取り組みのことをFaculty Developmentの略称として「FD(エフ・ディー)」と呼びますが,難しく考えるよりも単純に「学生さんにとって最良の学びを常に届けるために,大学の教職員が組織全体で考え,行動し続ける取り組み」と考えていただければ分かり易いと思います。
代表的な内容としては,全授業科目を対象とした,履修学生による授業評価アンケートの実施及び結果を受けての改善の取り組みです。
以下はすでに公式WEBサイトで公開されている令和3年度のアンケート結果から,一部の項目を抜粋しています。
・あなたは授業に熱心に取り組みましたか?
➡ 強くそう思う・そう思うの合計(前期89%,後期88%)
・この授業は,わかりやすかったですか?
➡ 強くそう思う・そう思うの合計(前期86%,後期85%)
・この授業を通して,教員の熱意を感じましたか?
➡ 強くそう思う・そう思うの合計(前期90%,後期90%)
・この授業内容は,総合的に評価して良い授業でしたか?
➡ 強くそう思う・そう思うの合計(前期89%,後期88%)
などです。芸術学部の回答率は約50%、サンプル数は(2,466名)となっており、推測統計における調査の信頼性が担保されるのに充分な数値を示しています。
もちろん,全学生の全ての意見が反映されている結果ではないことを大前提として捉え,自由記述欄でもらったコメント1件1件を確認して,授業改善に向けて8学科及び芸術教養課程で改善に向けた取り組みを継続しています。
こちらのアンケート結果は,科目を担当されている先生方ご自身で,授業の評価内容を確認いただいており,先生方個別の取り組みとしても,授業改善に努めています。
他の結果が気になる方は,以下のサイトを参照ください。
芸術学部公式WEBサイト 授業について(授業評価アンケート結果公表ページ)
https://www.art.nihon-u.ac.jp/campuslife/registration/
今回は様々な取り組みの中から,「Good Practice」という取り組みについて紹介させていただきます。
この「Good Practice」という取り組みは,芸術学部の授業で特に優れた取り組みをされている先生や,授業の改善に向けて教職員全体で共有すべき課題を研修会で講演するなどして貢献された先生方を,芸術学部として表彰する取り組みです。
本年度は4名の先生方が選出され,木村芸術学部長より表彰状と副賞の授与が行われました。
今回受賞された先生方は,全教職員が参加する芸術学部FDセミナーでそれぞれ講師役として登壇され,以下のような内容を全体に向けて共有しています。
吉野先生ご自身が,芸術学部学生支援室の担当として日々学生さんの相談に向き合う実体験等を交えて,授業を中心とした学生支援の在り方について,わかりやすく講演をいただきました。
大寺先生の心理学の専門家という立場だけでなく,1人の先生としてのフラットな目線も取り入れながら,ハラスメントの捉え方や対応の難しさを客観的な視点からわかりやすく講演いただきました。
地元の商店街のコマーシャル制作など,芸術学部映画学科における地域連携,地域貢献の実例を増田先生に解説いただきました。
続けて野村先生より,映画学科映像表現・理論コースで開講している「映画ビジネスⅠ~Ⅳ」における「学生による映画祭運営」の具体的な内容の説明をいただきました。同科目はオムニバス形式で業界の第1線で活躍される講師陣を招き,段階的に映画祭運営に必要となる知識を取得し,最終的には学生たち自らの手で企画から運営までを担い,興行としても成功へ導くという,社会接続を取り入れたとても実践的な科目になります。
参考:映画祭WEBサイト 日本大学芸術学部映画学科映像表現・理論コース3年「映画ビジネスⅣ」ゼミ/ユーロスペース
いずれの講演に関しても,学部全体での授業改善に役立つ実践的なセミナーとなり,好評を博しました。
最後に今回Good Practice として表彰された先生方の日藝CROSSでのキーワード記事はこちらから!
吉野大輔教授 キーワード「心理」
心の内面を表現する 〜ポップカルチャーに映し出されるイメージと象徴〜
大寺雅子教授 キーワード「心理」
増田治宏教授 キーワード「照明」
野村建太専任講師 キーワード「アニメ」
芸術学部では令和5年度も引き続きFD活動推進を通じて,より良い学修,授業の創成に努めていきます。
こちらの日藝ラプラスで,別の取り組みに関しても定期的に紹介をさせていただきます。
Webライター:教務課 伊藤 翼
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