11月8日9時00分より、映画学科映像表現・理論コース2年生向けにアニメーション監督・立川譲氏をお迎えし、「立川譲監督によるアニメーションの演出手法について」の特別講義が行われました。
立川監督は、劇場版アニメーション『名探偵コナン 黒鉄の魚影』や『BLUE GIANT』など、数々の話題作を手掛けた実力派アニメーション監督です。2005年に映画学科・映表理コースの前身である映像コースを卒業後、アニメ業界に就職。そこから長きに渡り日本のアニメ業界の第一線で活躍しています。
本授業では、監督が実際の制作過程でどのように演出を工夫しているのか、自らが用意した簡易シナリオから絵コンテを作成するという課題に対して、若手演出家の作成した絵コンテや自身の絵コンテ作例など具体的なカット構成を例に挙げながら解説していただきました。
授業の冒頭、立川監督は「アニメーション演出とは、画面を通して物語を語ること」と述べ、絵コンテから完成映像に至るまでのプロセスを説明しました。特に、キャラクターの感情を引き出すためのカメラワークや状況の説明の仕方についての話は学生たちの関心を引きました。
また、紹介された作例の中から印象的なカットを取り上げ、用意されたシナリオから「芯を食った部分(核心となるシーン)」をどう切り取るかといった技術的なポイントについても言及。学生たちはプロの視点ならではの詳細な解説に感銘を受けていました。
後半の質疑応答では、学生たちから「絵コンテ制作で意識していること」や「チームで演出方針を共有する方法」などの質問が次々と寄せられました。立川監督は、一つひとつの質問に丁寧に答え、自らの経験談や苦労話も交えながら、制作現場での実際のエピソードを語ってくださいました。
特に印象的だったのは、「自分の尖っている部分=コアの部分を信じつつ、周囲の意見に耳を傾けることの重要性」というアドバイスです。監督自身がこれまでに直面した課題を例に挙げ、学生たちに「柔軟でありながら芯を持つ姿勢」を持つことの大切さを伝えてくださいました。
立川監督が創り出す作品の奥深さに触れたことで、学生たちはアニメーションの可能性を再認識するとともに、自身の表現をより深めるヒントを得たようです。
立川譲監督の今後の活躍と、学生たちがこの授業を通じて生み出す新たな表現に期待が高まります!
貴重なお時間をありがとうございました!
記事一覧へ