「やりたいことを全部やりたい!」シンガーソングライター(音楽学科3年生)柴野 惣さんに図書館でインタビュー

音楽学科情報音楽コース3年生の柴野惣さんは、10代からシンガーソングライターとして活動するほか、映画監督や文筆、イベント企画など様々なアート活動を積極的に行っています。今回は、日藝図書館のヘビーユーザーのおひとりである柴野さんに、図書館の使い方やおすすめの本などをインタビューしました!

Q:柴野さんは、どんな時に図書館を利用しますか?

柴野:空き時間ができると、図書館に行きます。特に、2時間もあれば観たい映画が1本観れるので、図書館ではAV資料視聴覚ブースにいることが多いです。やっぱりスマホの小さな画面で、細切れで観るよりも、AVブースで集中して観る方が良いですね。たくさん映画を観て絵コンテを描くための参考にした時もありました。最近観た映画では、1977年に公開された『未知との遭遇』にはまりました。

それと、「暇だな」なんて言っている友達がいれば、「図書館に行きなよ!映画も、なんなら漫画もたくさんあるんだよ!」としつこく勧めてます(笑)。
日藝は、8つの学科があるのでアートの専門資料が本当に豊富です!私は音楽学科ですが、色々なアートに興味があるので、芸術やエンターテインメントの資料がたくさんある日藝図書館はすごく面白い。

ラジオも好きなので、放送作家のオークラさんが書いた『自意識とコメディの日々』が図書館にあったのも嬉しかったですし、昭和・平成にコントや演劇で活躍したシティボーイズの映像資料も図書館にリクエストを出して所蔵して貰いましたが、放送学科や演劇学科がある日藝の図書館だからこそ、こんなにおもしろい資料がたくさんあるんだと思います。

Q:図書館に来たら、チェックする棚やコーナーなどはありますか?

柴野:新着図書コーナーと、『すばる』なんかの文芸誌のコーナーをチェックします。
あと、展示も毎回面白いですね。
印象に残っているのは、岡本太郎さんの展示。岡本さんの作品集やエッセイもすごかったけど、岡本ファンの文芸学科の青木先生が作ったタローマンのフィギュアやジオラマ作品も最高でした。真剣に遊ぶ様子が、日藝の先生ならでは面白かったです。
(『日藝図書館で岡本太郎祭りを開催!』展示の様子は、コチラ

それと、建築にも興味があるので「ル・コルビュジエ」の展示も良かったです。コルビュジエに関するギャラリートークも図書館でやってましたよね。図書館では美術館の展示情報もゲットできますが、図書館員の方から国立西洋美術館の建築ツアーのことも教えて貰ったので、今度行きますよ。

Q:柴野さんは、図書館のイベント「ライブラリーカフェ」にもよく参加されてますよね?

柴野:はい。「読書筋を鍛える!~正しい姿勢で本を読むライブラリーカフェ」(イベントの様子はコチラ)では、授業では聞けない体育の先生の話が聞けたり、気になっていた姿勢の相談ができました。

あと、「アニメ監督 杉井ギサブローと振り返る あの時代のアニメーション 1980年代を中心に」では監督の話も面白かったし、最前列に座っていたアニメへの熱量がすごい学生も良かったですよね。

自分からは選びに行かないものでも、面白そうだな!とアンテナに引っかかったものは触れるようにして知見を広げたいので、図書館のイベントもできるだけ参加しています。

Q:柴野さんは、「100冊読了企画」にもチャレンジしてくれています。日藝図書館が所蔵する本を100冊分SNSに投稿すると、図書館で自分の企画が展示できるという企画です。

柴野:はい、でも100冊って意外と道のりが長くてめげそうです・・・。

Q:100冊はハードルが高いですかね・・・。日藝図書館といえば閉館アナウンスも独特で、現在は放送学科教授でアナウンサーの森中先生が様々なバージョンで楽しいアナウンスをしていますが、柴野さんが展示を開くときは、閉館の音楽も柴野さんの音楽が流せたら楽しそうです。

 

柴野:すごく嬉しいんですけど、結構アップテンポの曲が多いので、帰るぞ!とは思わせられるかは不安です…(笑)

Q:柴野さんのエネルギーの源は?

柴野:私は日本大学通信教育部から転部してきたのですが、「やったことがないことを全てやる!」という思いで日藝に来ました。もちろん、だらだらしちゃうこともあるんですけど、時間は永遠にはないので、日藝でやりたいことは全てやりたいし、通信教育部ではコロナ禍で図書館の利用が難しかったので、読みたい本のリストがたくさんあります。だから、少しでも多くの本を読んでさまざまなことを吸収して、全部やりたい!そんな気持ちで過ごしています。

Q:今後やりたいことは?

文章を書くことや、映画、好きなことはたくさんありますが、やっぱり音楽を続けたいです!音楽では好きなバンドがたくさんあるんですが、台湾のバンドが特に好きなので、実は今、日本大学交換留学の試験に挑戦しているところです。合格すれば、1年間台湾へ行けるので、今は中国語も頑張ってます。図書館で借りた中国語検定の本も活用させていただいていますよ。

柴野さん、今日は色々なお話を聞かせてくれて、ありがとうございました。
頻繁に図書館に来てくれる柴野さんの熱い気持ちをお聞きして、図書館では柴野さんをはじめとした日藝生をますます応援したい気持ちになりました。今後のさらなるご活躍を期待しています。

◆柴野さんがお勧めする本◆

『先生、どうか皆の前でほめないで下さい : いい子症候群の若者たち 』

金間大介 著(東洋経済新報社、2022年)

コロナ禍の中で大学に入学してすぐは、オンライン授業でした。そんな中で、誰も発言も交流もせず、先生に指名された学生も「わかりません」と消極的な学生が多くて疑問に思っていました。これを読んで少しモヤモヤしていたものが解決しました。

『暇と退屈の倫理学』國分 功一郎 著(朝日出版社、2011年)

私の人生のバイブルです!こんなにも娯楽があふれているのに、どうして人は暇だと思うのか。この本では、消費よりも【浪費】を勧めていて、私が読書をしたり、「自分からおもしろいものに向かっていこう!」と、色々なことにチャレンジや勉強をするきっかけとなった本です。多くの人に読んでほしいです!

『星の子』今村 夏子 著(朝日新聞出版、2019年)

作者の今村夏子さんは本当にすごい。文に書いてなくても主人公の感情の揺らぎが分かるし、でも結局主人公が親(ないし宗教)を信じているかはわからない...という繊細さ。ただ家族に愛は確実にある。「信じるとは何か?」と考えさせられます。

『ヘルシンキ 生活の練習』朴 沙羅 著(筑摩書房、2021年

「生活の練習って何?」と思って読みましたが、例えば助けて欲しい時に、ちゃんと自分で「助けて」と言う。自分の気持ちを伝えたり、感情コントロールの練習をするという日本人があまり得意ではないことや、服をちゃんと天気に合わせれば「天気が悪い・・・」と嘆くことはない...という、身に染みることがエピソードとともに書かれています。

フォト:桑田 日向子(写真学科2年生)

インタビュアー:川野 梨恵,小林 香穂(図書館事務課員)

柴野惣さんの音楽活動はコチラのサイトからご覧いただけます!

https://soshibano.com/itsudemo/

音楽学科
柴野 惣(しばの そう)
芸術学部音楽学科情報音楽コース在学中。珈琲研究会所属。10 代の頃から独自の一貫 した活動スタイルにて、音楽フェスへの出演やトーク イベントの開催など、弾き語り ・バンド・サブカル・アイドルシーンまで幅広 くカバーする新世代オルタナティヴ・ アーティスト。その他カレー研究家、映画監督、文筆家としても活動。将来 の夢は世界中で活躍する音楽家になること。クリエイティブディレクターにYMOのロゴなどで知られる奥村靫正を迎えた2ndフルアルバム「いつでも」が2024年1月に発売された。
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