「日藝図書館 岡本太郎まつり」を開催!

「芸術は爆発だ!」「なんだ、これは!」の名言や、太陽の塔でお馴染みの20世紀のニッポンを代表する芸術家・岡本太郎(1911-1996)。岡本は、絵画や彫刻、写真、書、グラフィック、インテリアデザインと、実に様々な手法で芸術観や人間観を表現しました。
図書館では、【日藝図書館岡本太郎まつり】と題して、所蔵する約150点の関連資料や企画展示を2022年10月から12月まで開催しました。

開始前は、令和の学生が関心を持つのかという不安もありました。
しかし、岡本太郎の生命力溢れる作品、そして言葉や生き様は、時代を超えて、好奇心旺盛な日藝生の心をつかんだようです。
また、来館者を驚かせたのが青木敬士教授の作品。

舞台は、1970年代の苫小牧の街並みを再現したジオラマ模型で、2021年「TMSレイアウト・コンペ」1位を受賞した作品です。
そこに襲来したのは、Eテレの番組「TAROMAN 岡本太郎特撮活劇」の主人公・タローマンと太陽の塔ロボ。ジオラマ模型と、タローマンのフィギュアは、青木教授の制作によるものです!
青木教授は、メディア芸術論、SF小説論を専門とした文芸学科教授ですが、精密で、ノスタルジックな情緒ある街の雰囲気やタローマンのフィギュアの完成度に、魅了される来館者が多数いました。
青木教授は言います。
「岡本太郎も、〈真剣に、命がけで遊べ〉と言っています。
命が何にかかっているかというと、これ以上は危険!という自然界や物理のルールですね。
どんなメチャクチャな存在でも宇宙の法則から逃れることはできない。リアルの世界にはそういうルールがあるんですが、作りものならなんでもアリという〝自由さ〟が、逆にアーティストにとって、あてどない虚無に誘われるワナになったりする。なんらかの〝しばり〟は必要なんです。
だから模型の世界も〝縮尺(スケール)〟というルールのなかで創意工夫することが、実在しないものにさえリアル感を与える原動力になりえます。実際、街とスケールを合わせたタローマンを粘土で造形しながら、いま顕現したな!と思えた瞬間は、快楽物質が脳内にドバドバ出てましたね」
 
岡本太郎の熱い思想と、それを実践する青木教授。
【日藝岡本太郎まつり】は、岡本太郎そして青木教授お二人の情熱に刺激される展示となりました。

展示ケース中央に置かれた岡本初の画集『OKAMOTO』(G.L.M.1937)(日本大学芸術学部所蔵)は、限定30部発刊の内の貴重な1冊。

岡本の芸術に対する深い信念が描かれた著作「今日の芸術」に関して、瀧口修造や土門拳ら同時代の文化人の書評も掲示。人間・岡本太郎の理解への手助けとした。

図書館事務課
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