日藝図書館で、「三味線を聴く!知る!弾く!を体験するライブラリーカフェ」を開催

日本の古典芸能には欠かせない楽器、三味線。日藝図書館では、「粋で、凛とした本物の三味線の演奏をぜひ聴いて貰いたい」という思いから、邦楽や歌舞伎界で、演奏家・作曲家として活躍されている新内多賀太夫さんを招き、「三味線を聴く!知る!弾く!を体験するライブラリーカフェ」を行いました。

 

イベントではワークショップも開催。三味線を構え、撥(バチ)を握りますが、撥が大きくて弾くのが難しい!世界でも、こんなに大きなもので弦を弾く楽器は珍しいそうです。
また、弦を押さえるところには、ギターのようにフレットがなく、何の目印もないことにも驚きました。三味線で弦を押さえるところを「勘所」と呼ぶそうです。

初めて三味線に触れた方がほとんどでしたが、実際に手にすることで、三味線という楽器の特性や音の感覚を体感することができました。

新内多賀太夫さんに演奏していただいたのは「日高川 嫉妬の段」。能や歌舞伎、日舞など様々な伝統芸能で演じられる有名な古典「安珍清姫伝説」「道成寺もの」のひとつです。

第一線で活躍する新内多賀太夫さんの「これぞ芸!」という洗練された演奏と語りは圧巻でした。

人形や歌舞伎俳優を伴わないで、三味線と素浄瑠璃の語りだけで聴かせる「新内節」。多賀太夫さんが登場人物をどう解釈し、どんな工夫を凝らして演奏プランを練っているのか、また、文芸学科の上田薫先生からは古典としての「安珍清姫伝説」の解説や変遷を深堀していただくなど、様々なお話を堪能しました。

取っ付き難いイメージのある三味線や古典芸能ですが、今回のようなイベントを通して奥深い世界に一歩を踏み出す機会となったら嬉しいです。日藝図書館では、これからも楽しく、知的好奇心を満たすイベントを行っていきたいと思いますので、ぜひご参加ください。

●新内 多賀太夫(しんない たがたゆう)さんプロフィール

新内節冨士元派7代目家元。
6歳より父の新内仲三郎さん(人間国宝)に師事し、10歳より舞台活動を開始。
東京藝術大学音楽学部を卒業し、同大学院修士課程、博士課程を修了。論文「琴(箏)を通した上調子の発生と発達」で博士号を取得。
演奏家としての活動が高く評価され、松尾芸能賞新人賞、文化庁芸術祭新人賞、芸術選奨文部科学大臣新人賞、日本伝統文化振興財団賞等を多数受賞。
また歌舞伎役者の尾上菊之助さんと親交があり、新作歌舞伎『風の谷のナウシカ』や『ファイナルファンタジーX』では企画構成の段階から参加され、音楽をご担当。笛、尺八、胡弓、箏、三味線といった和楽器や、シーンによってはチェロや他国の楽器も使用して作曲・編曲をされるなど、作曲家としても活躍中。      

新内多賀太夫さんホームページ ⇒ https://www.shinnaibushi.com/

写真撮影:写真学科4年生 有泉龍之介さん

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