「なぜ?どうして?」から始めるジャーナリズム

ジャーナリズムと聞くと少し敷居が高い感じがして、二の足を踏んでしまう人もいるのではないでしょうか。しかし、ジャーナリズムは本来、日々の暮らしがもっと良くなるために、誰にとっても欠かせない身近なものなんです。

ジャーナリズム【journalism】

大辞林には「新聞・雑誌・テレビ・ラジオなど時事的な問題の報道・解説を行う組織や人の総体。また、それを通じて行われる活動」と記されています。
日本大学芸術学部放送学科は教育機関たる学校法人日本大学に属する一学科であり、ジャーナリズムではありません。
しかしテレビ・ラジオなどマスメディアである“放送”を学科名に冠し、多様なカリキュラムの中からジャーナリズムを学び、また未来のジャーナリストを養成する場でもあります。

現代社会は“情報の洪水”

少々大げさかもしれませんが、皆さんはネット社会で日々情報の洪水に翻弄され、何を信じて、どのように生きていけばよいのだろうという思いに駆られていませんか?
スマホネットニュースは刻一刻と更新され、私たちはスマートフォンの画面をタップするたびに「ああっ、そうなんだ」というリアクションを繰り返すことを強いられているような気がします。
現下の世界情勢、社会問題に関するニュースを挙げれば、「米連邦準備制度理事会(FRB)政策金利0.75%引き上げ」「最高裁、東京電力福島第1原発事故で避難者らに対する国の賠償責任を認めない初の統一判断」、「通常国会閉会、論戦低調」「金融緩和に伴う円安が物価高の一因」etc.(2022年6月18日時点)となりますが、なかなか見出しだけを並べられてもわかりづらいですよね。

好奇心から始めてみよう

まず、皆さん各々が身近に感じられる社会のできごとに対して「これって何?どういうこと?」から始めてみませんか。例えば「はやぶさ2が持ち帰った小惑星りゅうぐうの砂から有機物のアミノ酸23種類がみつかった」このニュースを「ああっ、そうなんだ」ではなく。一歩踏み込んで、「アミノ酸がみつかったことにどういう意味があるの?」…すると「アミノ酸は生物の体を作るのに欠かせない…それでそれで…」さらに「生命の材料が宇宙から運ばれて生命の起源になった」つまり、「生命の起源隕石説」を後押しするのでは、となり、「私たちの先祖は宇宙からやって来た」と夢が広がります。
難しく考える必要はありません。「なぜ?どうしてそうなるの?それがどんな意味をもつの?」という好奇心からjournalismは始まります。
ちなみに私が最近最も関心をもったニュースは2022年6月15日の日本経済新聞の記事です。見出しは「メディア接触時間 スマホが初の首位 民間調査 テレビ抜く」。ちょっと痛いです。動画コンテンツもおすすめですが、“journalism”もお忘れなく!

日本大学芸術学部放送学科 森中慎也

放送学科
森中慎也
日本大学芸術学部放送学科 教授 日テレ系列札幌テレビ放送におよそ30年アナウンサーとして在籍。主な出演番組は『ズームイン!!朝!』『ズームイン!!SUPER』『ズームイン!!サタデー』。「音声表現」なんて堅苦しいことではなく、学生諸君のリアルなコミュ力アップのために日々スロットル全開!のバイクじじいです。
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