図書館イベント【脚本家 吉田恵里香さんの描く 恋せぬ世界 恋する世界】を開催!

図書館イベント【脚本家 吉田恵里香さんの描く 恋せぬ世界恋する世界】を開催!


図書館企画トークイベントである日藝ライブラリーカフェ第11回は「脚本家 吉田恵里香さんの描く恋せぬ世界 恋する世界」と題して、文芸学科卒業生 吉田恵里香さんをお招きしました。

吉田さんは、TVドラマ『恋せぬふたり』で第40回 向田邦子賞及びギャラクシー賞(第59回TV部門特別賞)を受賞され、『君の花になる』『Heaven?~ご苦楽レストラン~』、映画では『ヒロイン失格』『センセイ君主』、TVアニメ『ぼっち・ざ・ろっく!』など幅広い分野でご活躍中の脚本家です。2024年度前期のNHK連続テレビ小説『虎に翼』の脚本を手掛けることも決定しています。
前半は、日藝図書館中町分館長がインタビュアーとなり、お話を伺いました。

————脚本家のお仕事についてお聞かせください。

脚本家になったきっかけは、演劇学科先輩の紹介で、現事務所の脚本家さんのアシスタントをしたことです。最初は演劇の脚本を書いていました。脚本家は知識量が大事なので、ジャンルを問わず作品を観ます。仮にあまり面白いと思えない映画でも、自分ならどう脚色して良くするかな、と考えることで勉強になります。あとはどんな作品でも誠意をもって執筆することを心がけています。当たり前のことですが、大事なことだと思っています。

 

————手掛けた作品についてお聞かせください。

私は「家族はこうあるべき」と決めつけるのが好きではありません。『恋せぬふたり』は、ディレクターの方からの企画提案を受け、アロマンティック・アセクシュアル(アロマンティック:他者に恋愛感情を抱かない、アセクシャル:性的に他者に惹かれないセクシャリティ)の二人を主人公として、「恋愛感情がなくても家族になれるのか」をテーマとして描きました。
『DASADA』『声春っ!』については、王道の青春ものをやろうと思いました。昨今、なかなか青春ものの企画が通らないので……。それと日向坂46のファンの方もそうでない方もみんなが楽しめる作品にしようと考えました。彼女たち全員が出演する作品は今後なかなかないと思うので、良い経験でした。

 

————学生時代はどう過ごされていましたか。

大学での勉学に励みました。また、8学科もあるので、「書くためのネタにしてやれ!」と他学科学生との交流はしましたね。新入生歓迎会などで他学科の人とは出会いました。WOWOWで手掛けたドラマ『ダブル』はプロデューサー、監督ともに日藝出身者です。今も何かと日藝つながりでいろいろご縁を頂いています。

イベントの後半では、参加学生からの積極的な質問を受け、吉田さんとの対話を楽しみました。

————『ぼっち・ざ・ろっく!』は4コマ漫画が原作ですが、これをアニメにする脚本は大変ではありませんか?

原作が4コマ漫画なので、アニメーションにするにあたって行間の埋め方には気を使いました。オリジナル要素もありますが、あくまでも原作の良さを際立たせる為にどうするかを一番に考えました。

 

————吉田恵里香さんにとって物語とは?

心が苦しい、生きるのが苦しい人が、少しでも楽になることができたり、楽しくなる、生きづらさに寄り添うような物語を作りたいです。


 

————キャラクターを動かすときに気を付けていることはありますか?

人として、してはいけない言動は、原作にない限り入れません。ストーリーの為に、入れたとしても必ず落とし前はつけたり、捕捉で「これは駄目なことなんだ」と説明をいれています。


 

————原作のある作品とオリジナル作品で違いはありますか?  

原作のある作品は、より良くする工夫を考えるのが楽しいです。オリジナル作品はゼロから創作するので、生みの苦しみもありますが、すべて自由にやれる良さがあると思います。

 

————LGBTの人を登場人物として描く時に、気を付けていることはありますか?

想像で書かずに必ず取材をします。誤解を招かないように配慮をする努力が書き手として大切だと思っています。

  

学生からの質問にも、脚本家ならではの言葉で語ってくれた吉田さん。
参加した学生たちからも「自分の夢を叶えるパワーを貰った!」「いつか一緒に吉田さんと仕事がしたい!」といった声が寄せられました。

今後も、吉田さんの手掛ける作品から目が離せません。
日藝図書館でも吉田さんの作品を所蔵していますので、ぜひお楽しみください。

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