劇場という言葉は人それぞれの立場により多様な意味をもつ。
それゆえにすべての劇場建築を厳密に分類することは不可能に思われる。
しかし、このような試みは現存する多様な劇場建築について考えたり、
相互の差異を知るうえでは有効である。
この一文は「劇場-舞台芸術のための建築計画と設計」(鹿島出版会/ P.12)からの引用です。劇場にはそれぞれ違いがあるということです。
劇場は建設された時代、建設された場所、所有者の違いによって利用者から求められるものが違います。ただ一つ共通なのは価値観の共有を行う場所ということです。そのような場所でどのように公演が行われているのか、創られているのか、公演を成立させるためには「情報」の構成と管理と運用が大切です。
舞台監督をはじめとするマネジメントチームに集まってきた情報はまだ情報ではありません。「数字」であったり、「こうしたい」という意思であったりします。舞台公演創作および運営という同じ目的をもったメンバーのさまざまな判断の基準となるものが「情報」です。
「数字」や「意思」を整理することによって構成されたものが「情報」となっていきます。「平面図」や「断面図」などがその代表と言えるでしょう。
舞台監督演習 舞台構想コース
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