情報を多角的に理解し、扱うことができる学生の育成

「文芸情報処理演習Ⅰ」のオンライン授業の様子。 パソコンの画面を録画することで、実際の操作方法を解説した動画をYouTubeにアップロードしている。いつでも繰り返し確認できるというメリットも。

私たちは日々、アナログ・デジタルを問わず、多くの情報を受け取りながら生きていると言えます。そして、これから先の時代は情報をより正しく理解し、取捨選択し、適宜処理する能力が一層必要となってきます。それは表現者としてだけではなく、社会人としての基本スキルとも言えます。

学生の将来を考える時、そこには多くの可能性が存在します。作家をはじめとした個人事業主となる学生もいるでしょう。創作を続けながら企業で働く道を選ぶ学生も多いです。大学院に進学し研究を行う道もあります。中学校や高等学校の教員として後進の育成に携わる人もいれば、図書館など「本」にかかわる仕事を選ぶ人と、実にさまざまです。

ですが、どのような道に進んだとしても、情報に対する知識とスキルの修得がこれまで以上に重要になってきており、文芸学科ではそのための教育にも目を向けています。

具体的にどのような授業があるのか?

「文芸情報処理演習」という科目では、コンピュータの構成要素から始まり、ネットワークの基礎知識や電子メールの機能といった内容を順に理解してもらいます。そのうえで、Microsoft Office®の操作方法の実践へと移ります。最も使用頻度の高いMicrosoft Word®の各種機能を中心に、Microsoft Excel®での数値計算、PowerPoint®でのプレゼンテーション作成など、一般社会で広く必要とされる技能を身につけてもらいます。近年では、スマホは使えるがパソコンの操作には自信がないという学生が散見されますが、この科目を履修した学生のほとんどは、パソコンを使いこなし日々の課題や創作に取り組んでいます。

「DTP演習」では、Adobe®アプリケーションの操作を修得します。Adobe Photoshop®による写真編集や画像処理の手法、Adobe Illustrator®を使用した表紙デザインやロゴなどの素材作成、Adobe InDesign®での誌面デザインと入稿データ作成といったDTPの基本的スキルをていねいに教えていきます。この科目を履修した学生のなかには、仲間と同人誌を編集・製本し、「文学フリマ」などで積極的に外部へ発信している人が多くいます。

ここまで触れてきた内容はいずれも、情報を加工し、適切に利用するために必要な知識・技術です。文芸学科には、卒業後の進路にかかわらず、社会人として必要な情報リテラシーと情報スキルを身につけるためのカリキュラムが用意されています。

資格との関連は?

情報が集まる場所のひとつが図書館です。そこでは、日々多くの情報が集約され、整理され、私たち利用者がアクセスしやすいように管理されています。公共図書館や大学図書館であれば司書が、学校図書館であれば司書教諭がその中心的役割を担います。言うなれば情報を扱うプロフェッショナルです。

日藝では文芸学科の教員を中心に「司書・司書教諭課程」を設置・運営しており、有資格者の育成に注力しています。

文芸学科
髙野 和彰
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