多くの人が「ジャーナリズム」は記事や文章といった「言語」であると考えるかもしれない。
しかし本質的なところでは、言語だけでなく「写真」や「映像」「音楽」といった総合的なものすべてが「ジャーナリズム」であるといえるのではないか?
私は「建築デザイン」の担当教員として大学で教鞭をとりながら、実際に建築の設計・デザインにもかかわっている。
私の意識の中ではそうした設計表現や設計思想もジャーナリズムの一端であると考えている。
施主が望むことを具現化するだけではなく、その先にある普遍性について考えること、そしてそれを「世に問う」ことこそが重要なのだ。
「デザイン」を社会へと還元させる作業そのものが「ジャーナリズム」だといえるであろう。
「建築家」やデザイナーは自身の作品をメディアを通じて発表をする。その時には形だけでなく写真や言葉を使って表現をする。
つまり、どんな場面であっても我々は常にジャーナリズム的視点をもっていなければならないのだ。そしてそれはその国の文化の一端を担うものであるのだ。
私たちの生活をより「豊か」なものとするために「ジャーナリズム」は存在し、それを支える総合的デザインとしての「芸術」がなによりも大切なのである。
<プロフィール>
氏 名:若原 一貴
1994年 日本大学芸術学部美術学科住空間デザインコース卒業
1994年 株式会社横河設計工房入社
2000年 株式会社若原アトリエ設立
2019年 日本大学芸術学部デザイン学科准教授
2022年 日本大学芸術学部デザイン学科教授
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