ファッションとメディア

メディアとは媒体です。本もポスターもファッションも媒体です。そんな授業を紹介しています。

ファッションもメディアのひとつ?

グラフィックデザイン1の授業では、グラフィックを広義としてとらえて可視化され情報としてとらえられるものすべてをデザインしていきます。
今回の演習授業では、「文字を纏う」をテーマにデザインの授業を行いました。
メディアは本来、媒体と訳され、情報を掲載するための器です。
テレビ、ラジオもそうですが、最近では SNSが一番身近にあるメディアでしょう。
「文字を纏う」とい課題は、ファッションもメディアの一部と考えたものです。
衣服はそもそも体温維持に必要なものとして人類の祖先が纏ったものですが、現在ではその他に TPOに合わせたり、その国や文化を表現する民族衣装や、自分を表現するアイデンティティであったりと多くの役割があります。
ある意味、ファッションは情報であることを再度我々のなかで理解し、文字を纏うということはどういうことか?考え制作する授業です。
学生はそれぞれの解釈で作品を作りました。帽子や Tシャツからコロナ禍でのマスクなど。
パンデミックのこの時期を体験した学生だからこそ考えられた作品が多く出されました。ファッションというメディアを通してメッセージを発信することができた課題となりました。

DNS ID を纏う①
DNS ID を纏う②
文学を纏う
点字を纏う
表情を纏う
世界のあいさつを纏う①
世界のあいさつを纏う②

ファッションとジェンダーレス

作品形態【付け襟(セーラー服襟)】
纏った文字【10105】
この作品は、セーラー服自体が女の子が身につけるモノ/象徴的存在であるという意識の部分に着目しています。
服はどんな色にも染まることができる白を選び、色の固定概念からなくしました。
特徴となるリボンの部分はネクタイとリボンの中間帯のようなデザインにし、男女どちらが身につけても違和感がないように心がけています。
最後に纏った文字「10105」は過去流行したポケベルの言葉、意味は「今どこ」を選びました。
この「今どこ」というのは、過去から私たちへのメッセージで社会のジェンダーへの理解はどのくらいまで進んでいるのかという問いかけになっています。
未来に進んでいく新たな制服のデザインと過去に流行した言葉のメッセージという、過去と未来が交差する社会に向けて仕上げた作品です。

ジェンダーレス

デザイン学科
笠井 則幸
日本大学芸術学部卒業後、日本デザインセンター入社。2007年同社を退社し、和光大学専任講師を経て、2010年本学デザイン学科准教授として着任、現在は教授。専門はグラフィックデザイン、タイポグラフィ。タイポグラフィを基軸としたコミュニケーションデザインの実践と研究に従事している。主な受賞歴としてGraphis Poster Annual 最高賞、 Asia Design Prize グランプリ、日本タイポグラフィ年鑑ベストワーク賞、全国カレンダー展日本商工会議所会頭賞/第3部門金賞受賞、SDA賞最優秀賞・準優秀賞、文化庁メディア芸術祭推薦作品推挙など。
OTHER TAGS