求む、演劇プロデューサー!

演劇学科舞台構想コースには企画制作専攻があります。毎年15人前後の学生が企画制作専攻で学んでいます。

企画制作専攻の中には、アーツマネジメント概論の入り口に当たる文化政策や必要な法律について学ぶ授業もあれば、演劇の専門家になるわけですから、基本的な素養を身につけるために古今東西の戯曲を読んで話し合ったり、演劇界の現状を知り今後の企画を「妄想」したり、また国内外の劇場の成り立ちの違いや、社会のいろいろな局面でこれまでにない役割を期待されている舞台芸術についてなど、さまざまに勉強していきます。

企画制作全般の中でも、私は自分がささやかながらも演劇プロデューサーとして仕事をしてきたことから、プロデューサーの仕事についてはよく話をします。

プロデューサーというのはゼロから1を生み出そうと、周りの皆さんに仕事をお願いする仕事です。こんな舞台/場があったらいいなと、何もないところから成功のイメージを胸に抱いて、その舞台を現実化していく人たちです。「演劇に対する深い教養」と、見に来る人や支える人たちがいて初めて成立するのが演劇ですので、「見に来る人たちや支える人たちのライフスタイルやものの考え方」に大いに興味をもっている必要があります。つまり、アーティストと観客/サポーター、それぞれの「人の気持ち」に迫ろうという仕事です。そして、毎回、現場が変われば、人の気持ちは変わるもの。だからいくら頑張ってもキリがない仕事ともいえます。

しかし、実は、この「キリがない仕事」というのが、一生をかけるに足る、やりがいのある仕事でして。失敗はつきものですが、その場で深く反省し、次の成功に向かってまっすぐ進んじゃおう!という熱意さえあればあなたもプロデューサーになれます。

いかがでしょう?日本の演劇界は、未来のプロデューサーを求めていますよ!

企画制作実習I、ゼミナールIA 、劇場論II、舞台構想コース、企画制作専攻

演劇学科
奥山緑
日本大学芸術学部演劇学科教授。長らく趣味=仕事=舞台芸術だけの人生だったが、コロナのおかげで韓国ドラマを大量に視聴。韓国ドラマ界が猛スピードで古いドラマツルギーを脱ぎ捨て自己革新し続けていることに注目している。最近の私:ペーパードライバー歴40年だったが先日卒業。
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