スポットライトを独り占め

卒業生の熊倉響さん。卒業演奏ではバルトークのピアノソナタを演奏し、喝采を浴びた。

ソロで演奏する機会の多いピアノ。それぞれが主役になれる、日藝ピアノコースの学生が踏む舞台とは。

「舞台袖で覚悟を決め、舞台中央へ。拍手に迎えられ,にこやかにお辞儀をしたのち、スポットライトが照らす中ピアノに向かう。
唾を飲み込む音が聞こえるのではないか、という静寂と緊張感の中、最初の一音を弾きだす」。

これは、ピアノ演奏で舞台に立った経験がある人ならば、経験したことがあるのではないかと思います。     それまでレッスンで学んだこと、練習の中で習得したこと、そして何より自分自身を舞台の上で表現することができるのか、大変な集中力が求められます。

ピアノという楽器はすべての指を使い、一度に複数の音を鳴らす楽器です。
一人でも、多くの声部や、ハーモニー豊かな音楽を演奏することができますが、それだけに、どの音にも気を配ったり、ミスタッチを減らすこと、暗譜をすることが大変な楽器でもあります。
ライブ演奏は、録音と違って巻き戻したり、録りなおすことはできません。
そうした緊張感の中、舞台で華麗に演奏するピアニストは、スポットライトを一身に浴び、その美しく響きあうサウンドで会場を魅了します。

すべてを出しきり演奏を終えると、たくさんの拍手。
ソロの舞台はスポットライトも拍手も独り占めです。聴いてもらえたうれしさ、やり切った達成感、これ、一度経験するとやめられません。
日藝のピアノコースでは、演奏する舞台が多数用意されています。
前後期試験、試演会、ピアノコンサート、コンチェルト定期演奏会、ソロ定期演奏会など、全員が出るものから選抜されるものもあります。
あなたも日藝の舞台で、スポットライトを浴びて主役になって輝いてみませんか?その体験は、あなたの人生で一生忘れられない宝物になるはずです。

音楽学科
脇岡洋平
日本大学芸術学部音楽学科准教授。東京芸術大学附属音楽高校を経て東京芸術大学音楽学部を卒業後、渡独。在学時より国内や海外の国際コンクールに多数入賞。帰国後はソロだけではなく、室内楽、ピアノデュオ、落語家や学者とのコラボレーションなど、幅広い活動をおこなう。基本的に好き嫌い無く、どの作曲家の作品も好きだが、特に好んで演奏する作曲家はバッハ、ヘンデル、リスト、ラフマニノフ。
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