フルーティストとして

萩原貴子(日本大学芸術学部音楽学科教授)

一流のフルーティストが考えるパフォーマンスとは

フルーティストとしての私の活動は、クラシックだけではなく、ポピュラーや演歌までカバーしたり、日本の笛も吹いてきました。
中近東で発祥した楽器は、西と東に行くにつれ、違った発展をします。
乾燥しているヨーロッパに行けば、ギターは軽くなり、シルクロードを渡りアジアに来れば重たい琵琶になります。

一つの笛は集まり、西に行けば、パイプオルガン、東に行けば笙になる。

日本は湿度も高く、響かないため、漆で固めた笛になったのです。
強靭な笛=能管(武士の笛)です。

私は、日本の笛を吹くことで、さらに西洋的なものの考え方、東洋的な考え方の理解が深まりました。
東洋では、笛は天に上る波動、太鼓は地を表し、間があることで、行間を読むような世界が生まれます。
そこにある精神性が日本です。
皆さんは音楽を学んだ学生はどのように生きていくのかご存じでしょうか?

これについては、誰も教えてくれないのです。
時代を読み何が聴衆に求められているか?を考えられなければ仕事にはならないのです。

皆さんの世代は生まれたときから「インターネット」はそばにあったと思いますし、すでに使いこなしているとも思います。

ネットのコミュニケーションには時代を生き抜く鍵が埋まっているようにも感じます。

セルフレコーディングやセルフフォトなど自分自身をプロデュースする一歩を踏み出してみてください。
日藝の授業が必ず役立つ(それもすぐに)ことと思います。
基本を教わり、応用は自分がやるものです。

音楽学科
萩原 貴子
日本大学芸術学部 音楽学科 教授
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