SDGsってなんだろう?今さら聞けない外国語

SDGs という言葉が広まりつつある現在、これがどのような言葉の略語なのか、あなたは知っていますか?
英単語の意味を知ることで、さらに深めていくことのできる知識と理解があります。
このページでは、気候危機とエコロジーに関する英語を基にしたいくつかのキーワードを紹介していきます。

〇 はじめに

 気候危機の問題に取り組むうえで、今日的なキーワードとなっているのがSDGsです。この言葉を見聞きしたことがあっても、それが Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)の略称であることを知らないひとも一定数いるのではないでしょうか。気候危機が現代社会に生きる誰しもにかかわる地球規模の問題であることと、気候危機の問題を考えるときに手助けとなる言葉の多くが世界に広く普及している英語に由来していることは、無関係ではないはずです。ここでは、ほんの数例ですが、気候危機という問題系を理解するうえで重要となるいくつかのキーワードを一緒に確認してみましょう。

〇 Resilience / レジリエンス

 まず「レジリエンス」とは「回復力」のことです。地球上にある自然には、その環境が損なわれたときに元のかたちに戻ろうとする力があるため、自然にはレジリエンスが備わっているものとされています。ただし、レジリエンスには限界があるのです。

〇 Planetary Boundaries / プラネタリー・バウンダリー

 いくら地球にレジリエンスが備わっているといっても、あまりにも環境破壊が進んでしまえば、元の状態に戻していくことはできなくなってしまいます。この越えてはいけない一線のことを、「プラネタリー・バウンダリー(地球の限界)」といいます。環境破壊が深刻化すれば、惑星(planet)規模でひずみが生じ、取り返しのつかない事態になりかねないのです。

〇 Green Washing / グリーン・ウォッシュ(グリーン・ウォッシング)

 現在、深刻化している気候危機に対処するために、世界中でさまざまな対策が講じられています。しかし、その中には首をかしげたくなるような内容もあります。もっといえば、環境に配慮しているかのような対策に見せかけながら、実際には環境に配慮しているどころか、プラネタリー・バウンダリーを脅かすような行為になっている上辺だけの取り組みがあるのです。
 このような対策にすらなっていない取り組みの一部は、「グリーン・ウォッシュ」とよばれています。「グリーン(Green)」という英単語は、色彩の「緑」を意味するだけでなく、「環境保護」の意味合いを示すときにも用いられます。これに、自らの欠点や過失をごまかしたり、体裁を守るためにごまかしたりすることを指す「ホワイトウォッシュ(whitewash)」という英単語が結びつくことで、この造語が誕生しました。

 これらの考え方は、だんだんと世の中に広まりつつあります。日本語としては、基になった英単語がカタカナに変換されることで考えが普及しているようですね。しかし、大学生の皆さんと話していると、その意味や定義を知らないといったことが少なくありません。SDGsですら、言葉の意味を知っていることが当たり前かのように使われているけれど、実は教えてもらったことがない、でも今さら聞けない、といった意見を聞くことがけっこうあるのです。でも外国語の授業なら、これらの言葉を知らないままにすることなく、立ち止まってその意味を見つめ直すことができます。

〇 考えてみよう

 最後に、先ほど取り上げた「グリーン・ウォッシュ」について、もう少し考えてみましょう。例えば、皆さんは買い物にいくときにエコバッグを使っていますか?それ自体はとても大切な取り組みといえます。ここで、皆さんが使っているエコバッグ自体のことを思い出してみてください。それはどんなエコバッグですか?なかには、手作りのエコバッグを使っているひともいるかもしれませんね。一方で、エコバッグを店舗やネット通販から購入したひとも一定数いるのではないかと思います。つまり、エコバッグも「商品」だということですね。


 エコバッグの使用は環境によい取り組みのはずですが、そのエコバッグを生産するために必要な熱エネルギーや排出される産業廃棄物が環境を壊してしまっては本末転倒です。それなのに、このエコバッグを売りたい企業が、環境を汚している事実を隠しながらエコバッグの利点だけを宣伝しているとしたなら、それはお金を稼ぐという本音を隠した上辺だけのエコ活動でしかありません。これが「グリーン・ウォッシュ」です。
 環境に配慮が求められる社会的営みは経済活動だけではありません。皆さんがかかわっていく芸術活動も、本当の意味で環境に配慮したものになっているかどうかについて考え続けることが大切といえます。

〇 おわりに

 話を外国語学習に戻しましょう。エコロジーの分野にかかわらず、日本語圏には、英語をはじめとした外国語に由来した言葉が数多くあります。芸術のさまざまな分野も例外ではないでしょう。皆さんはこれからかかわっていく専門的な分野の勉強を進めながら、外国語にも精通していくことで、自身の芸術活動をより深めていくことができるはずです。

芸術教養課程
山﨑 亮介
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