CAREER Model インタビュー企画 株式会社オリエンタルランド エンターテイメント本部 ショー運営部所属 演劇学科卒業 濵田真実さんに聞いた「日藝」とは??

ー 当時を振り返り、日本大学芸術学部へ入学された動機など、教えてください。

私は3月の一般入試で日藝を受験したのですが、実はそのギリギリまで、看護学部に進むつもりで勉強していました。医療の知識に興味があったのと、誰かの役に立ちたい、目の前の人を笑顔にしたいという思いがその理由でした。しかし受験が近づき、いざ自分が看護師として働いている姿を想像した時にふと違和感を感じ、「自分が本当に好きなこと、やりたいことってなんだろう」ともう一度よく考えました。その時真っ先に頭に浮かんだのは、3年間続けたマンドリン楽部の定期演奏会。仲間と沢山練習して迎えた演奏会でのお客様からの大きな拍手と、ステージから見えた沢山の笑顔、何よりも一緒に頑張ってきた仲間の笑顔を思い出した時に、自分が本当に好きなことは「仲間と一緒に沢山の笑顔を創ること」だと確信しました。そこから大きく舵を切って進路変更。看護学部のパンフレットと一緒に実はこっそり取り寄せていた日藝のパンフレットを引っ張り出して熟読。ここなら、仲間と一緒に沢山の人を笑顔にする術を学ぶことができると思い、3日後くらいに締切が迫った3月の一般入試の試験に願書を提出しました。

ー 学生時代はどのようなことを専門に学ばれていましたか。また、学生時代はどのようなことに打ち込まれていましたか。

演劇学科で、舞台の歴史や戯曲の読み方、舞台の構造や仕組みについて学び、専攻の演出コースでは主に、演出部と舞台部の役割と動き方について学びました。

大学での公演をはじめ、小劇場での自主公演、先輩の舞台のお手伝い、プロの現場に勉強しに行くなど、4年間ずっと何かしらの舞台創作に明け暮れていました。夏休みなどの長期連休も、稽古や公演のためほとんど大学か劇場に居たような気がします。

ー 学生時代に印象に残っている授業科目や課外活動などはございましたか。

授業では、総合実習と卒業制作が最も印象に残っています。普段はそれぞれのコースで専門的な知識やスキルを磨いている仲間と、コースを超えて一緒に作品創りができる機会は、日藝の醍醐味だったなと今でも思います。学年が上がるごとに、自分も仲間もどんどんスキルアップしていくので、お互いに求め合うレベルが自ずと上がり、完成する作品もより充実したものになっていきました。より良い作品を完成させることはもちろんですが、それよりも制作過程において、専門分野も考え方も違う仲間と、いかに緻密にコミュニケーションをとって力を出し合うことができるかが鍵になった実習であったと思います。卒業後、どんな仕事に就いたとしても真っ先に基礎になる部分だと思うので、貴重な経験を積ませていただいたと思っています。

卒業制作で使った幕の仕掛け作業中
卒業制作バラシ後、舞台部のみんなと共に
総合実習の場当たり前、舞台部×演出部での確認タイム

ー 日藝に入る前のイメージと、入学後、卒業後のイメージにギャップはありましたか。

入学後は、良い意味で期待を裏切られました。もともと自由なイメージはあったのですが、こんなにも自由なのかと入学早々に感じたのを覚えています。規則が緩いなどの意味ではなく、学生も教員も大学全体を通して”ひと”がとことん自由でした。日藝の中では、“自分が自由”に生きているからこそ、“他人の自由”をスムーズに受け入れることができる”ひと”が多かったように感じます。

ー 学生時代に抱いていた「こうなりたい、こんなことをしたい」という「夢」について教えてください。

“沢山の人を笑顔にしたい”という想いは、ずっと変わらずに自分の中にありました。大学2年生になる頃に、大好きなテーマパークにステージマネージャーの仕事があると知ってからは、この場所でショーの仕事をすることがずっと私の夢でした。

ー 現在のお仕事に就かれた理由や動機などを教えてください。

中学生になった頃からテーマパークが大好きで、友人とよく遊びに訪れていました。アトラクションやショーをはじめとするコンテンツはもちろん魅力的でしたが、何よりもそこで働く皆さんの最高のおもてなしに、毎回感動していました。自分もいつかこんな風に、誰かを笑顔にできる人になりたいと、その頃から思っていたのだと思います。私にとって、こんなにも誰かの笑顔のために一生懸命になれる場所はここしかありませんでした。この場所で、自分が4年間学んだ大好きな舞台の知識を、最大限に活かすことができるのが、ステージマネージャーというお仕事でした。

→オリエンタルランド本社のエントランスにて。※安全に配慮して撮影しています。

ー 現在のお仕事の内容ややりがい、こんな形で社会とつながっている、といった紹介をお願いします。

現在は、テーマパークで行われる大規模ステージショーの運営を担当しています。出演者のコンディションやステージの状態など、公演に関わる様々な要素を整理して、公演の進行管理を行うのが主な仕事です。私が憧れていたキャストの皆さんの様に、直接ゲストとお話したりすることはめったにありませんが、ゲストに安心してショーをお楽しみいただけるよう、“ショーを守り続ける”ことが私の仕事です。テーマパークには、毎日沢山のゲストが、本当に楽しみに足を運んでくださいます。パークに居られる時間はあっという間かもしれませんが、大切な人と沢山笑って、沢山お話して、ほんの少しでも幸せな気持ちになってもらえたり、「よし!明日からまた頑張ろう!」と前を向いて頂くことができていたら、とても嬉しく思います。

ー 現在のお仕事で「日藝」時代の学びや経験から得られた能力などがあれば教えてください。

本当に個性豊かな仲間が常に近くにいる環境だったので、十人十色の考え方を“受け入れる力”が自然に身についたと感じています。沢山の仲間と一緒に仕事をする中でも「1つの正しい正解なんてない」ということが自分の中にあるだけで、思考を止めずに柔軟に仲間の話を聴くことができます。また、自分自身も1つの正解に囚われずに、自由に考えて行動できているのは、日藝での生活で、仲間達から沢山の刺激をもらったからだと考えています。これからも、自由に楽しく仕事ができたら良いなと思っています。

ー これから受験を考えている高校生に、日藝をお勧めする(としたら)一言をお願いします。

正直、どうやってお勧めしたら良いかがわかりません(笑)。日藝でどう生きるかは、その人次第だからです。日藝に入ったからと言って、何か特別な事が起こるわけではありません。ただ、「なりたい自分」を見失わずに磨き続ければ、最高に面白くて温かい教職員の皆さんと、最高に愉快で尊敬できる仲間たちが、必ず背中を押してくれる、日藝は、そんな大学です。ぜひ自由に!自分の人生を楽しんでください!応援しています!

新卒1年目は、結婚式場でフラワーコーディネーターの仕事をしていました。
今でもお花は大好きで、たまに触っています。
2019年 演劇学科演出コース卒業
濵田 真実
株式会社オリエンタルランド エンターテイメント本部 ショー運営部所属 / 一般選抜利用
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