「映像エンターテインメントの今」

メディア・リテラシーⅠの授業風景

TikTokからNETFLIXまで、映像エンタメ新時代。
全世界で行われる、可処分時間争奪戦。
そんな、アツい時代に皆が考えるべき「中身論」と「外身論」

こんにちは
さて、最近皆さんはどのように「映像」のエンターテインメントに触れていますか?

電車の中でTikTokを見て?
家に帰ったらNETFLIXを見て?
YouTubeを見ながら寝落ち…

という人、正直に手をあげてください。

はい!
クリエイターを目指す皆さん。
今から、大金をかけた命がけのサバイバルゲームに招待します。お手元のスマホを確認してください。
うそです。その代わりに、学科共通科目、「メディア・リテラシー」の第1回で勉強する内容をのぞいてみましょう(ここからはまじめです。)。


「映像エンタメが何でもそろっている新世代」

映像に興味がある!勉強したい!と思っている人は、
「この10年で映像エンタメの世界でどのような地殻変動が起こったのか?」

こうしたことを俯瞰して考える必要があります。
なぜなら、経済活動としてのそれをとらえることは、皆さんの将来を考えることに繋がるからです。
芸術を志すなら、メディアはその一つの「行方」になる。(と、授業でもう1万回はいいました。2万回かもしれません。)


さて、下の図を見てください。
例えば、このような相関図を作ることができます。

授業スライド(一部)

皆さんは、インターネット、スマホの発展により、「時間軸」と「場所」から解放された新世代です。
(Z世代ってかっこいいですね。私は小学校のとき土曜日も授業ありましたけどね。)

さて、冒頭で述べましたが、現在、TikTok、NETFLIX、YouTube等、あらゆるレンジ、サイズの「映像」が揃っています。
友達が踊っているものから、超リアル鬼ごっこまで、なんて時代でしょう。


 「全世界可処分時間争奪戦」


ここまでを、頭に置きつつ、話を進めます。

皆さんは「可処分時間」という言葉を知っていますか?

そうです、それは皆が「自由に使える時間」のことです。
今、スマホにどれくらいの時間を使っていますか?
「可処分時間」の大多数を使っていますよね?

もう一度図をご覧ください。

テレビ放送が隆盛を誇っていた時代は、みんな、決まった時間(ゴールデンタイム等)に決まった場所(家のリビング等)にて、
可処分時間を投入していました。

そして約15年ほど前、スマホが登場し、皆さんの可処分時間の時間軸と場所を解放してしまいました。
そして、インターネットに常時接続されている皆さんは、図に示された、それぞれの映像をシームレスに楽しめるようになりました。

これを、逆から考えると、今、映像エンタメの作り手たちは、インターネットを通じて、「人類の可処分時間」の争奪戦をしているわけです。
そして、可処分時間を多くをゲットできている会社が莫大な利益を上げて成長しているわけです。
そして、その膨大な利益を上げた会社が、制作業界に資本を再投下しているわけです。

テレビ番組は、配信サービスの力により、世界に販路を広げつつあります。
その配信サービスの最大手の一つであるNETFLIXの資本は、ハリウッドをはじめ世界の映画業界に再投下され、それらはアカデミー賞の常連になりつつあります。

難しい言葉でいうと、映像業界は「資本循環」「資本再投下」のまっただなかで、そのクオリティ、文化が次の段階へと向かいつつあります。
いうなれば、映像エンタメは、今、とても「ホットな領域」です。


「中身と外身の両輪」

はい、
今回ののぞき見はここまで。

芸術学部の共通科目「メディア・リテラシー」では、こうした「メディア」の現状と未来を追っかけ続けています。
つまり、毎年授業の内容はアップデートされ続けるわけです。
しかし、これらのことはある意味で「外身」論です。

一方、芸術学部は各学科で「中身」をクリエイティブの何たるかを、学びます。
映像でいえば、映画学科、放送学科では、実務レベルの教育と環境で「中身」を本気で作っています。
(私もたまにモグって…いや、聴講しています。)


「メディア」は芸術を志す皆さんの未来の「行方」です。

これからの時代、「中身」と「外身」の両輪がそろった、Z世代が未来を開きます。
(これは授業で5万回は話しています。)

芸術教養課程
加藤亮介
日本大学芸術学部 芸術教養課程 准教授 博士(芸術学) グローバルメディア・国内メディア企業にて、コンテンツ・ビジネス業務に従事、 その後、研究者となる。日藝では、芸術論から産学連携まで幅広く担当。
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