SDGsと写真の関係・写真学科3年統一テーマ「SDGs」WEB写真展

写真を作るってゴミを生み出してるのかも?

2021年度から写真基礎演習Ⅲ(最大15人1クラス)の中で、WEB展示「SDGs」を実施しています。

鳥海クラスでは「SDGsってそもそもなんなの?」から議論を始め、MDGsまでさかのぼったり、#HelloSDGsをみんなで見たり、それぞれの価値観を話し合ったりしました。

写真学科3年次統一テーマWeb Exhibition「SDGs」

貧困や飢餓といったテーマは共通認識を見いだすことが難しく、全員が撮影できそうな「ゴミ」をサブテーマにして撮影を始めました。制作が進むなかで「自分たちって“写真を撮り、プリントする”という当たり前な制作の中で日々ゴミを生み出すよね?」という疑問を強くもつようになりました。「ゴミ」を撮影しながら、自分たちの「作る責任・つかう責任」に対する思考が深まっていたんです。完成したクラスのWEB展示は「いらないものってなんなの?」「ゴミはちゃんと捨てよう」というメッセージが強くあります。せっかくだから楽しんでもらいたくてミニゲームを作ってみようともなりました。クリア!のわからないゲームになって「いやいや、本当これぞSDGsだね」と話したりもしました。

WEB展示からさらに発展!!

WEB制作を通して生まれた「何をもってゴミなんだろう?」という疑問は、せっかくなのでリアルの場に向けてみることにしました。

情報音楽コースとのコラボ企画の中で、自分たちの写真をチロルチョコのパッケージにして「その包装紙を携帯に挟んだりしてくれる?それとも直でゴミ箱行き?」と問う「tirosh! tirol-choco×trash」を行いました。最終的に包装紙はゴミ箱に辿り着いたのかもしれませんが、会場に設置したゴミ箱には包装紙があまり捨てられていなくて、結果を見ながら写真作品とゴミの狭間について考えたりしました。

キャンパス入口での企画
写真をプリントした包装紙ってゴミなのか作品なのか?

さらに、取り組みきれなかったジェンダーや多様性をテーマに「Merry-Go-Round」というハンドアクリルを被写体とした作品を制作。2022JPS展ヤングアイに出品しました。一見難しそうに見える問題も「そういうの、もう、うちら世代受け入れてるし、全然楽しんでるよ!」という軽やかな彼らのメッセージです。

2022JPS展ヤングアイ出品作品「Merry-Go-Round」
写真学科
鳥海 早喜
"写真学科鳥海 早喜(とりうみ さき) 日本大学芸術学部写真学科准教授。1984年三重県伊勢市生まれ。専門は写真史・写真表現研究、近年は特に金丸重嶺研究。単著として『新興写真の先駆者 金丸重嶺』(国書刊行会 2021)。"
OTHER TAGS