芸術学部のFD活動レポート~令和5年度芸術学部Good Practice 表彰式を開催しました~

芸術学部では,授業内容の改善や更なる向上を目指して,教育内容・方法等をはじめとする研修会や様々な取り組みを年間を通して行っています。

このような取り組みのことをFaculty Developmentの略称として「FD(エフ・ディー)」と呼びますが,難しく考えるよりも単純に「学生さんにとって最良の学びを常に届けるために,大学の教職員が組織全体で考え,行動し続ける取り組み」と考えていただければ分かり易いと思います。

代表的な内容としては,全授業科目を対象とした,履修学生による授業評価アンケートの実施及び結果を受けての改善の取り組みです。

以下はすでに公式WEBサイトで公開されているアンケート結果から,一部の項目を抜粋しています。

左枠が令和4年度後期のアンケート結果,右枠が令和5年度後期のアンケート結果になります。

設問2 あなたはこの授業から,新しい知識・考え方・発想を学ぶことができましたか?  

➡ 強くそう思う・そう思うの合計(令和4年度:90%,令和5年度:91%)

設問3 あなたはこの授業内容と関連することを,さらに学習したいと思いましたか?  

➡ 強くそう思う・そう思うの合計(令和4年度:82%,令和5年度84%)

設問6 あなたは授業に熱心に取り組みましたか? 

➡ 強くそう思う・そう思うの合計(令和4年度:84%,令和5年度85%)

設問14 あなたにとってこの授業内容は,総合的に評価して良い授業でしたか? 

➡ 強くそう思う・そう思うの合計(令和4年度:86%,令和5年度88%)

などです。芸術学部の回答率は約45%となっており、推測統計における調査の信頼性が担保されるのに充分な数値を示しています。

もちろん,全学生の全ての意見が反映されている結果ではないことを大前提として捉え,自由記述欄でもらったコメント1件1件を確認して,授業改善に向けて8学科及び芸術教養課程で改善に向けた取り組みを継続しています。

こちらのアンケート結果は,科目を担当されている先生方ご自身で,授業の評価内容を確認いただいており,先生方個別の取り組みとしても,授業改善に努めています。

また,芸術学部では学修の達成度を可視化する測定テストを実施しており,ここでも「授業に対する非常に前向きな姿勢」が計測されています。

全学年で実施中のアセスメントテスト「GPS Academic」の結果(第1学年設問)

上記の設問からは,芸術学部の学生はあまり興味がなくても,楽に単位が取れる授業がよい「楽タン」志向(15%)よりも,単位が取るのが難しくても,自分の興味のある授業がよいと考える志向(71.2%)がとても強いと言えます。

そんな在学生の「日藝」への志望度は以下のとおりです!

全学年で実施中のアセスメントテスト「GPS Academic」の結果(第1学年設問)

大学全体の志望度を第1志望,第2志望と回答した学生は,93.8%,芸術学部・学科志望度を第1志望,第2志望と回答した学生は,驚異的な99.0%となりました。

このように本学部への志望度が極めて高く,授業にやる気がある在学生の期待に応えるため,高い授業満足度を維持していくこともまた,芸術学部のFD活動に求められる重要な命題となっています!

他の結果が気になる方は,以下のサイトを参照ください。

芸術学部公式WEBサイト 授業について(授業評価アンケート結果公表ページ)

https://www.art.nihon-u.ac.jp/campuslife/registration/

さて,今回は様々な芸術学部の授業改善の取り組みの中から,「Good Practice」という取り組みについて紹介させていただきます。

この「Good Practice」という取り組みは,芸術学部の授業で特に優れた取り組みをされている先生や,授業の改善に向けて教職員全体で共有すべき課題を研修会で講演するなどして貢献された先生方を,芸術学部として表彰する取り組みです。

本年度も優れた取り組みを続けられている先生方が3名選出され,安部学務委員長より,2名の先生方へ表彰状の授与が行われました。(1名は校務出張により欠席)

受賞された穴吹有希写真学科准教授
受賞された穴吹有希写真学科准教授
穴吹准教授からのコメント

「この度の芸術学部Goodpractice受賞を機に,個人のみならず学部全体で取り組む授業改善の施策に寄与したいと存じます」

受賞された川上央音楽学科教授(情報音楽コース)
川上教授からのコメント

「若手の先生方が実践する授業改善に向けた新しい取組みなどを積極的に学部として顕彰できるよう,協力していきたいです」

先生方には芸術学部の先生方や職員の方全員が対象となるオンラインでの研修会の講師として,授業改善に向けた様々な施策や工夫している点を共有いただきました。

第1回芸術学部FD研修会 講師:川上央音楽学科教授(情報音楽コース)

講演テーマ:日藝100年のリソースを活かし時代の変化に対応した,「新たな専門性と実践力」を実現するための授業内容のアップデートについて

「生成AI:Chat GPT」から創出された「芸術学部の客観的分析」を効果的に用いた川上教授のFD研修内容

第2回芸術学部FD研修会 講師:穴吹有希写真学科准教授

講演テーマ:教育効率の向上の為の写真学科の取り組みと今後の展望

「授業改善は直ぐに試す」を信条とし,オンライン技術を駆使した穴吹准教授のFD研修内容

両先生共に対面形式の授業だけではなく,オンラインでの大人数授業も担当し,履修者から好評を得ております。

一見,芸術学部の授業は「対面・実技」の印象が強いですが,川上教授,穴吹准教授共に「技術・技能を学ぶ科目」に関しても,ICT技術を最大限に活用することで,学修効果を高める授業を多数展開されています。

また,当日地方への学生引率のため授賞式に出席が叶わなかった美術学科の金秋雨先生に関しても,芸術学部が現在推進している「社会連携・地域連携」分野において,顕著な実績を継続している事例として,第2回FD研修会で教職員に広く共有いただきました。

第2回芸術学部FD研修会 講師:金美術学科助教(地域芸術専攻)

講演テーマ:美術学科地域芸術専攻における社会連携の重要性と実践

日藝キャンパス内にとどまらず,日本各地の地域社会とArtの連携を推進する金助教のFD研修内容
地域連携を進めるうえで重要視している学生自身の「主体性」とそれを引き出す教員の役割

本年度芸術学部Good Practice教員として選出された3名の先生方は,それぞれの連門領域で活躍されております。

以下のメディア記事で分かり易く紹介していますので,是非ご覧ください。

川上 央先生のメディア記事はこちらから

デジタルアートって電気を浪費していますよね?

穴吹有希先生のメディア記事はこちらから

遊びの中の創造性

金 秋雨先生のメディア記事はこちらから

大地の芸術祭で取り入れる「SDGs」の教育

<動画> 研究者 ~金 秋雨~(その1)展示に魅力を見出した研究者が 自身の活動と日本・ドイツでの留学経験を語る!

<動画> 研究者 ~金 秋雨~(その2)キュレーター研究に加え教育者としての一面,そして留学経験まで語ってもらいます!

芸術学部では教育,授業内容の改善にこれからも教職員一同で取り組んでいきます!!

写真学科
穴吹有希
日本大学芸術学部写真学科准教授。1984年香川県生まれ。写真学科では通称IP論や写真基礎演習の授業を担当。サイエンスフォトの授業では新たな発見をテーマに、学生と一緒に楽しむ授業を展開している。シフトレンズという特殊なレンズを使用したボケ感に特徴のある制作をライフワークとしている。近年は写真技術や技法を様々な分野の表現技法と融合した作品制作を行い、写真展を多数開催している。
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