デジタルアートって電気を浪費していますよね?

プロジェクトⅠ授業風景「アマゾンの自然破壊をミュージックビデオによって考える」

デジタルコンテンツ全盛の時代ですが、そもそも、SDGsと逆行してない?

音楽学科情報音楽コースではコンピュータを使った音楽制作をしています。
そもそも、コンピュータは電気で動きますし、レコーディング機材もすべて電気、ライブなんかやってしまうとギターアンプだけでも100ワット、PAなどはさらに電気を使います。
一方、ピアノやバイオリンなんかはまったく電気を使いません。
クラシック音楽こそSDGsかと思ってしまいますが、ホールでピアノの生演奏を聴かせることができる人数はせいぜい5000人ほどです。
一方、フェスなどのライブでは数万人規模です。一人当たりの使用電気量で考えると、さほど電気を使っているとは思えません。
さらにはレコーディングで使ったエネルギーは、サブスクリプションなどで1億人に聴かれたとすると、一人当たりはほとんどエネルギーを使っていないことになります。
デジタルアートはインターネットを通じて、世界中の人に音楽を伝えることができます。
制作時の電気量が1億人の心を動かします。コンピュータで制作した音楽に必要な電力量が、世界中の人に希望や夢という大きなエネルギーに変換されるのです。
これこそ持続可能なアートだと思いませんか?
サスティナブルとは資源やエネルギーの問題と考えられがちですが、われわれ人類が築いてきた文化資源を後世に継承することも重要です。
地球上の資源と同様、人類の資源を持続させる活動こそ、現代の芸術領域の専門家の重要な使命なのです。

外部リンク

https://www.micnuart.com

https://youtu.be/sHiUS7Jzuvo

音楽学科
川上 央
1968年東京生まれ。東京大学教養学部を経て、日本大学大学院芸術学研究科修了。趣味はエンデュランス。2005年フランス国立音楽音響研究所招聘研究員。コンピュータによる音のデザインを専門とし、湯浅譲二の電子音楽作品のリアリゼーション、フランス国有鉄道の誘導音を始め、ゲーム、自動車などのサウンドデザインを多数手がける。現在は、音楽とテクノロジーによるオープンイノベーションを行う。
OTHER TAGS