遊びの中の創造性

屋上に設置の天体望遠鏡を使用しての実習

アートには常に遊び心が大切です。写真学科には「遊び」を通して学ぶ授業があります。
その名も、写真技術Ⅳ。通称、サイエンスフォトとよばれる授業です。
天体望遠鏡や顕微鏡、立体写真や植物の光合成を利用した写真。時には特殊な機材を使用して人間の視覚を超えたイメージを探求する授業です。
技術的な知識を得るだけでは創作活動に生かすことはできない為、自ら考え、遊びながら体感し、経験を重ねることを大切にしています。
まさに、この授業のテーマが「遊び」なのです。

皆さんも経験があるかもしれませんが、子どもたちは遊びの天才です。
日々の生活の中で「名前のない新しい遊び」を次々に創り出します。さらにその遊びを進化させることもとても得意です。
大人からすると一見意味のない行為であっても、遊びに真剣に向き合うことはクリエイティビティそのものです。
誰しも大人になるにつれて子どものころの柔軟で奇抜な遊び心を忘れてしまうのかもしれません。
サイエンスフォトの授業では、無邪気な遊び心を思い出しつつ、学生も教員も楽しみながら授業に取り組みます。

もちろん、完成された写真を撮ることも大切ですが、それだけでは新しい表現や、自分らしい写真表現を手にすることはできません。
写真に限らず、新しい技術や文化の発展の為には、過去を超えるイノベーションが必要です。
これまでの固定観念を打破するためのキーワードが「遊び」なのです。

関連授業:写真技術Ⅳ

水風船の割れる瞬間(閃光装置と音センサーを使用して撮影した)
パウダーと風船で創り出した造形(閃光装置と音センサーを使用して撮影した)
写真学科
穴吹 有希
日本大学芸術学部写真学科准教授。1984年香川県生まれ。写真学科では通称IP論や写真基礎演習の授業を担当。サイエンスフォトの授業では新たな発見をテーマに、学生と一緒に楽しむ授業を展開している。シフトレンズという特殊なレンズを使用したボケ感に特徴のある制作をライフワークとしている。近年は写真技術や技法を様々な分野の表現技法と融合した作品制作を行い、写真展を多数開催している。
OTHER TAGS