「僕が日藝を休学して復学して、授業をプロデュースするに至るまでの話。〜木村政司藝術学部長の波動を添えて〜」

みなさんは、〝おもろいこと〟したくありませんか。

初めまして。文芸学科四年の宮崎智弘です。

今回より、「日藝クロス」にて執筆を担当させていただきます。

主に僕の見てきた日藝や、素敵な学生たちの活動を紹介していけたらなと思います。どうぞよろしくお願いします。

画像は、先日〝浮けた〟ときの僕です。

さっそくですが。

どうですか、みなさん。〝おもろいこと〟したくありませんか?

僕は、常にしたいと思っています。高校生の時から、いや物心ついた時から、楽しいことをしていたいなと思っていました。

振り返れば、六年前にこの日本大学芸術学部に入学したのも、そんな思いだったからです。

そう。僕は六年間この大学にいます。ちょっと、人より長く在籍しています。

途中、二年間休学しました。

入学したのは2017年です。

僕は「小説家になりたい!」と思って文芸学科に入りました。

しかし! 大学生の毎日というのは、誘惑に溢れています。

新たな友達、先輩、サークル活動、恋愛、バイト……。

〝たのしい〟が溢れていました。

そんなある時、ふと気づきました。

「俺は小説家になりたくて日藝に来たのに、普通の大学生みたいになっている」と。

これはまずい!

そう思った僕は、一年生が終わった段階で休学し、二年間、小説とシナリオが学べる専門学校に通っていました。大学とは違う環境に身を置き、多くのご縁に恵まれ、自分の作品が本に掲載されたり、ライターのお仕事をいただくことができました。

と、まぁカッコよく書きましたが。

しょーーーじき言うと、日藝の授業がだるかったです。

うん。

学科にもよるのですが、一年生の時って履修を組んでみると、専門的な授業がなかなか取れなかったりします。

それなのに、体育や、語学、自分が学びたい領域じゃない授業も取らなければなりません。

あと、寒かった。寒くて後期、大学行けなかった。

そして2020年に二年生として復学します。

専門学校を出た時、就職も考えました。

それでも復学したのは、「まぁ日本の学歴社会的に大卒の方がいいか〜」という安直な思いと、当時付き合っていた彼女に「大学でないと結婚はしたくないかな……」と言われたからです。

2020年は新型コロナが流行して、世間は静かに騒々しかったのですが、出不精の僕は「家にいるだけで授業が受けられてラッキー」と思っていました。

そして、不思議と退屈だと思っていた語学や、数学、哲学などの授業が楽しく感じました。

「あれ? この授業で言ってること、昨日の授業で別の先生が話してたことと共通してるな!」みたいに。

二年生、三年生は、結果として一つも単位を落としませんでした。

そしていよいよ最終学年の四年生。

僕は、とある授業を履修します。

木村政司芸術学部長が長年担当されている「サイエンスコミュニケーション論」です。

日本大学芸術学部では「他学科公開科目」というのがあります。

木村先生はデザイン学科の教授なのですが、この「他学科公開科目」に「サイエンスコミュニケーション論」が設定されていたので、文芸学科の僕でも授業をとることができました。

まず当時の僕は、芸術学部長がどんな人なのかも知りませんでした。

そんな状態で木村先生とお会いしたのですが……。

木村先生、とにかく、〝〝〝アツい〟〟〟!!!!

先生は初回の授業からこうおっしゃっていました。

「いいかい。大学はね、何も教えてくれないよ。自分で掴み取らなきゃ。

僕なんかより学生の方が、知識が豊富だったりするんだから。

そして、今まで会ったこともない人と会話することが大事だよ」

「僕はね、コンビニでも店員さんと必ず会話するよ。『今日は暑いですね』、『このおにぎり美味しいですね』って。

この店員さんをなんとか笑顔にさせてあげよう。そして自分も笑顔で話そう。

今日という一日、この人に、笑顔の人を見たことない一日にさせないように。

って。

脳みそを使うって、そういうこと。

まぁ、若いときはなかなかできないよね。恥ずかしい。でもね、一度やったら癖になるから。」

「日藝もね、八学科に分かれているけど、そのナンセンスさはつくづく感じる。

学生が、みんなが、考えた可能性に道をつけるのが、我々先生の役割。

もう一度言うけど、自ら掴むのが、大学だからね」

木村先生……。

いや、マサシ・キムラ。

めっっっっちゃ良いこと言うやん!!!!!!!

感動しました。

一目惚れです。

すっかり彼の虜になった僕は、ある時、学部長室を訪ねました。

当時、どうしても仲良くなりたい映画監督がいました。

僕はその方の作品を勝手に小説にして、「読んでください!」とアプローチしていました。

そんなことをマサシ・キムラに相談しに行ったのです。

いきさつを話すと、先生はこうおっしゃりました。

「まず。君のその行動力に敬意を表します。

いいかい。せっかく好きな人と同年代に生きているなら、絶対に会いなさい。

その気持ちが大事だ。ポジティブさが。

人生はね、自分じゃ決められないんですよ。

ありがとう、しあわせ、うれしい。そういうプラスな言葉を常に使うこと。そうしたらね。自然と人が集まって、自分を高みに連れて行ってくれるから。

逆も然りね。マイナスな言葉、悪口、クレーム、愚痴を吐くと、どんどん悪い方向にいっちゃうんだ」

俺は。泣きそうだった。

いや、泣いてたかもしれない。

自分の孫でもおかしくない年齢の人間に「敬意を表せる」。

そんな大人になりてぇと、強く感じた。

結果としてその映画監督とは、お食事に連れってもらえるほどの関係を築き。

先日、作品にも出演させていただいた。

さて、そんな僕の日藝生活もあと数ヶ月で終わりです。

さみしい。かなしい!

まだまだもっと!

〝おもろい〟ことしたい!

そんな時、自分が所属するソコロワ山下聖美先生の「文芸研究Ⅳ(=ゼミ)」で、こんな提案がありました。

「誰でも参加ができる〝オープンゼミ〟をやろう!」と。

「ゼミ」という言葉に聞き馴染みがない方もいるかもしれませんね。

日藝の場合、学科によっても異なるのですが、指導教員を一人希望し、そこに集まった学生同士で、積極的に意見を出し合い、作品制作や専門的な研究、また将来の就職活動についてコミュニケーションをする場です。

現在、ソコロワⅣゼミは20人くらいいます。

授業では「最近こんなことがあったよ〜」と雑談したり、たま〜に作品を読み合ったり、みんなでご飯に行ったり。

楽しく過ごしているのですが、このゼミというのは、履修している学生しか基本的には参加することができません。

その従来の考えをとっぱらい、「誰でも参加できるゼミ」が「オープンゼミ」です! 

「学科・学年関係ない、職員だって参加していい。みんなで日藝の未来について考えよう!」

お、これはおもしろそうだな。と思った。

そしてもう一人のソコロワゼミ生である中濱くんと僕の二人で、企画を主導することになりました。

なにを隠そう我々は〝マサシ・キムラ チルドレン〟である。

早速、木村学部長にオープンゼミへの出演をお願いすると、快諾していただいた。

そして昨年の12月15日に、「日藝オープンゼミ」が開かれた!(いぇーい)

文芸、写真、映画、演劇……多くの方が参加してくれた!

学生からの質問に答えているマサシ・キムラ。

生徒や教授からの意見として、

・「大学で泊まりで麻雀をしたい」

・「大学でペットを飼いたい」

・「もっと他学科と交流したい」

などが挙がった。

一つ一つに丁寧に、少年のように目を輝かせてお答えしている姿が印象的だった。

特に心に刺さったのは、

「Responsibility(レスポンシビリティ)」と「Accountability(アカウンタビリティ)」の話だ。

どちらも日本語で「責任」を意味するが、その責任を負う対象が違う。

「〝Responsibility〟は〝過去〟に起きたことの責任を取ること。

 〝Accountability〟は〝未来〟への責任を取ること。

これはね、似ているようで大きく違うんだよ。

日本大学では一連の不祥事が起きてしまった。藝術学部では、〝Responsibility〟だけじゃなく、みんなの未来に対して〝Accountability〟を持ってこれからも学びの環境を作っていきます」

そう、木村学部長は仰っていた。

あっという間の90分がすぎ。

参加者の眼が、いや、〝波動〟が変わっていた……。

「宮崎と中濱が、木村先生にハマる理由がわかったよ」

「泣きそうになったよ」

という声をかけてもらえた。

そして。

その場で第二回目の開催が決まり……。

やります!

二回目! 

今月、1月17日火曜日。13:00〜14:30に、西棟5F文芸ラウンジで!

お待ちしております!

みんなで木村政司学部長の〝波動〟を感じましょう!!!!!!

最後に、運営に関わってくれたメンバーを紹介!

前回に引き続き素敵なポスターを作ってくれたももちゃん!

海発桃子(かいはつももこ)

日本大学芸術学部デザイン学科三年。2002年2月1日生まれ(20歳)。新潟県出身。

2019年 花園美術舎:卒業

2020年 新潟県立小千谷高等学校:卒業

2020年 日本大学芸術学部デザイン学科:入学

音楽と子供がだいすき!

あと、ごきげんぱんだと、ばさしと、でみぐらすおむらいすも好き!

好きなものを聞くといっぱい答えてくれて、嫌いなものを聞くと「ないですです!」っていうももちゃん。

他にも。歌がうまくて。お酒が強くて。お洋服のデザインもできて。咳払いがおじさんみたいで。サッカーのルールを知らなくて。

素敵だね。哀切だね。

ありがとう!

そしてオープンゼミの様子を撮影してくれた大石ちゃん!

大石梨緒(おおいしりお)

日本大学芸術学部写真学科二年。2002年7月23日 生まれ(20歳)。神奈川県出身。

2021年日本大学芸術学部写真学科:入学

Instagram→@ohishirio2

大石ちゃんは写真学科だけれど、映画が大好きだそうです。

本人曰く「邦画ばかり観ちゃいます。今泉力哉監督の他人を覗いている感じが好きです。ぽかんとして観ていられるので」とのこと。

他にも、食べることが好きで、喫茶店によく行くそうです。家でティータイムもするそう……。それと昼間の光も好き。

そして、桃子ちゃんと同じく、「嫌いなものが思いつかなくて困っています」と、返信をくれた。

最近の若い子は……えらいねぇ(泣)

大石ちゃんは共通の後輩に紹介してもらったので、オープンゼミの日が初対面でした。

ニコニコ笑顔が素敵で、一生懸命カメラを構えてくれました。

そんな大石ちゃんが撮ってくれた写真は、自然体なみんなの姿で溢れてました。

ありがとう!

一緒にオープンゼミを運営してくれた中濱くん。

テレビとヒップホップが大好き! な、文芸学科四年生!

彼は我々と同じ、天の川銀河オリオン腕太陽系第3惑星地球出身と言っているが、宮崎は密かに〝木星〟辺りが故郷ではないかと睨んでいる。

木星人にとって炭酸とチョコレートは〝毒〟らしく、地球に来訪してから一度も口にしたことはないらしい。

また、異常なまでにオレンジジュースを欲するところから、木星はガスではなく、実はオレンジジュースで構成されており、故郷の味を懐かしんでいるのではないかと推測している。

ありがとう!

それではまた次回の記事でお会いしましょう!

文責:宮崎智弘

文芸学科
宮崎智弘(みやざきともひろ)
宮崎智弘 日本大学芸術学部文芸学科四年。 1998年5月11日生まれ(24歳)。 東京都出身。 Instagram→t511miyazaki 【活動歴】 ①アプリゲーム「乃木恋」・「ひなこい」シナリオライター担当 ②学研出版「続 意味がわかると鳥肌が立つ話」作品掲載 ③日本大学藝術学部文芸学科「江古田文学108号」作品掲載 ④YouTube「殺し屋密着チャンネル 第1話」ターゲット役
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