アニメーション映画『化け猫あんずちゃん』日芸生向け特別試写会を開催

7月11日の17時より映画学科特別授業として、7月19日に全国公開を控えるアニメーション映画『化け猫あんずちゃん』の日芸生向け特別試写会を開催し、上映後のティーチインとして久野遥子監督と山下敦弘監督をお迎えしました。

本作は今年5月に行われた第77回カンヌ国際映画祭の「監督週間」にアニメーションとして6年振りに選出され、6月にはアヌシー国際アニメーション映画祭2024でも正式出品された日仏合作。原作は2007年に発刊された、いましろたかし氏による同名漫画で、近年では『カラオケ行こ!』などを手がけた山下敦弘監督がほぼ全編を実写として演出し、短編アニメーション『Airy Me』で、第17回文化庁メディア芸術祭アニメーション部門新人賞を受賞した久野遥子監督がロトスコープと呼ばれる手法でアニメーション化したユニークな作品です。

久野監督と山下監督をお迎えしたティーチインでは、役者の演技を実写で撮影したのち、それをトレースなどするロトスコープの手法について、元になった実写とアニメーションの比較映像を使って解説してもらうことができました。また、W監督であることの難しさについては、お2人の話の中に「尊重」や「信頼」という言葉がたびたび発せられ、それが作品の土台になっている様子を感じることができました。

学生たちからの質疑応答では、あんずちゃんの声と動きを担当した森山未來さんと化け猫であるあんずちゃんのキャラクターデザインの差異を久野監督はどう描き分けたのかであったり、アニメーションになることを前提とした山下監督の演出方針など、予定の時間を過ぎるほど多くの学生の質問に答えてくださいました。ありがとうございました!

映画学科
奥野 邦利
1969年東京生まれ。日本大学大学院芸術学研究科映像芸術専攻修了。現在は日本大学芸術学部映画学科へ勤務する傍ら、変容するメディアと物語の関係を軸にした映像作品の制作を手掛けている。何よりも、写真(still image)と映像(moving image)との境界線の観察を喜びとしている。日本映像学会理事。
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