CAREER Model インタビュー企画 日活株式会社 配給宣伝部 映画学科卒業 長谷川諒さんに聞いた「日藝」とは??

―当時を振り返り,日本大学芸術学部へ入学された動機など,教えてください。

高校三年生の文化祭で行ったクラス演劇で、脚本の編集や予告編、ポスターを作成し、大勢で何か一つのものを作り上げることが楽しく、将来は人を楽しませる仕事がしたいと思いました。その際に、映画のプロデューサーを志しました。大学では専門的に映画業界について学びたいと思い、日藝の映画学科を知り、志望しました。入試は公募推薦で、作品提出と小論文、面接がありました。作品提出はその時書いた演劇の脚本、SNSにあげた予告編の映像を送って受験しました。

―学生時代はどのようなことを専門に学ばれていましたか。また,学生時代はどのようなことに打ち込まれていましたか。

映画の歴史から映像製作の流れまで映画に関する様々なことを学びました。映像制作では、短い尺の習作の制作から始まり、劇映画やドキュメンタリー、アニメーションなども作りました。シナリオの書き方や、撮った素材の編集方法など細かいところまで学べてとても楽しかったです。毎回教授陣からいただく鋭い講評は厳しいものでしたが、作ったものを見てもらい、意見をいただくことはなかなかない機会ですし、自分のやる気にもつながったので良かったです!(笑) 映像制作の他にも「西部劇」や「ヌーヴェル・ヴァーグ」といった映画のジャンルや監督の作家論について批評論文を書いたり、渋谷の映画館(ユーロスペース)を借りて映画祭を興行したり、配給や批評といった映画ビジネスについても勉強でき、夢中になって取り組んでいました。

卒業制作の一場面

―学生時代に印象に残っている授業科目や課外活動などはございましたか。

「映画ビジネス」の授業がとても印象に残っています。実際に映画、映像業界で働く方を招いて、仕事内容について学ぶ座学から、映画配給会社や映画館への20日間のインターンシップ、ユーロスペースを使った学生映画祭の興行まで、映画業界の仕事について深く学ぶことが出来ました。

特に、学生が主体となって行った映画祭は作品やテーマの選定、ポスターのデザイン、宣伝・パブリシティなど全て自分たちで企画運営を行ったので、映画配給、興行の流れに関して身をもって学ぶことが出来ました。またコロナ禍にもかかわらず、たくさんのお客様にご来場いただけたことがとても嬉しく、映画業界で働きたいという気持ちも、より一層強くなった体験でした。

―日藝に入る前のイメージと,入学後,卒業後のイメージにギャップはありましたか。

自分が入学前に予想していたよりも映画・映像などのエンタメが深く好きな人が多くて、日常生活で最近見た映画の話をするのが楽しかったです。あとは図書館が本当にすごい。もう少し有効活用すれば良かったなと卒業後に悔やむほど良かったです。

在学時代、友人の制作を手伝った際の写真

―学生時代に抱いていた「こうなりたい,こんなことをしたい」という「夢」について教えてください。

映画の企画から二次利用にいたるまで全体を見渡して、その作品の良さを最大限に発揮できるプロデューサーになりたいです。

―現在のお仕事に就かれた理由や動機などを教えてください。

大学では映像を撮ったり、どちらかというと監督に近いことを学んでいましたが、プロデューサー志望で入学したため、そういった職種で映像に関わることができる映画配給会社や映像制作会社に絞って就職活動は行いました。ご縁がありCMの制作会社と今いる日活から内定をいただき、大衆向けからミニシアター系作品まで幅広いジャンルの映画を製作している点や、どの部署に配属されても映像に関わることができるというところに魅力を感じ、入社を決めました。

―現在のお仕事の内容ややりがい,こんな形で社会とつながっている,といった紹介をお願いします。

今は配給宣伝部で映画の宣伝に関わる仕事をしています。日々更新される興行収入のレポート作成や、ポスター・チラシといった宣伝材料物の管理、また舞台挨拶などのイベントがある際には運営スタッフとしても稼働しています。

配給宣伝部は映画配給会社の部署の中でも、劇場やお客様と比較的近い場所で行う業務が多いため、様々な形で映画を届けることで社会とつながっているなと感じます!

―現在のお仕事で「日藝」時代の学びや経験から得られた能力などがあれば教えてください。

専門的な大学だからこそ細かいところまで勉強でき、映画の歴史や芸術性、ビジネス構造など授業で学んだことは知識として役に立っているなと思います。また高校時代はそんなに映画を見て来なかったのですが、大学では周りが映画をたくさん見ていたので、年間の鑑賞本数も増えました。入社したあとも社員の皆さんに「好きな映画何?」とか「最近何か見た?」とよく聞かれるので、見る癖がついたのは良かったです。映画館も美術館も学生料金は安いし、日芸生は図書館をたくさん使ってエンタメに触れる機会を増やすといいと思います!

―現在のお仕事を進める中で日藝を出て,良かったと感じるエピソードなど,ございましたら紹介ください。

今行っている業務に近いことを実は学生時代のアルバイトでもしていまして、「映画ビジネス」の授業で紹介されたインターン先としてミニシアター系の映画配給会社があったのですが、そのままアルバイトとして働かせていただきました。そこでは宣伝材料の発送やイベントの文字起こしなど様々なことを行ったのですが、ある作品でパブリシティを任されて、町のお店を周って映画のポスターやチラシを置かせてもらったり、記事で作品を取り上げてもらえそうな雑誌のリストアップを行いました。その時、「若いんだから電話掛けでもなんでも臆せずたくさんやりなさい」と言われて頑張った経験が、そのまま今の仕事につながってるなと感じています。他にもバラエティ番組の制作部の仕事を紹介されたり、授業外でも実務的な経験を積むことができたのも、日藝にいて良かったなと思えるポイントです。

―これから受験を考えている高校生に,日藝をお勧めする(としたら)一言をお願いします。

学外、学内を問わずとにかく色んな人に出会える環境だと思います。同年代の友達とも、教授ともよく話して繋がりをたくさん作っておくと、何年後かにあの時のあれが今、効いてきてるなと感じることができると思います。ただ入って満足して怠けるとあとで痛い目を見るので、大学生のうちは遊びも勉強も全力で取り組むといいと思います!

映画学科 映像表現・理論コース/2023年卒業
長谷川 諒(ハセガワ リョウ)
日活株式会社 配給宣伝部/学校推薦型選抜(公募制)
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