明るく元気が良い。そして、ハキハキと礼儀正しい。どうやら他学科の学生は、演劇学科の学生に対し、そんなイメージをもっているようです。これは、「自主創造の基礎」という、主に1年生が受講する授業内でのアンケート結果なので、まあ、そうなのでしょう。しかし、断言してもよいのですが、そんな学生はほぼいません。むしろ、逆な学生が今や多数派な気がします(特に1年生は、そうかな)。つまり、暗く元気がなく、ウジウジとしていて、たまにしゃべれば無礼なことを平然と口にする。もちろん、これは教員という立場で学生と接するわずかな時間での印象なので、実際はそんなことないのかもしれません。事実、学年が進み、教員との、あるいは学生同士の、コミュニケーションの時間が増えるに従い、彼/彼女らはどんどんオープンマインドになっていきます。無理に自分を隠さず、当たり前に他者を受け入れる。そんな関係があちこちで見受けられるようになります。実に堂々とした態度で、感心してしまうことも多々あります。冒頭の印象も、もしかするとそんな場面を見たり、その雰囲気を感じ取ってのものかもしれません。しかし、そんな立派な演劇学科生も、時折ふと「陰キャ」の顔を見せもします。仲良しだけでコソコソつるみ、辛辣な悪口で盛り上がり、ニタニタと自虐をくり返す。そして、フーッと息を吐く。なるほど「陰キャ」は息抜きなのかもしれません。「私たち、立派なだけじゃないんです」。そう、立派なだけじゃ生きていけない。しごく当然のことです。演劇学科の学生は、私たち教員に日々そんなことを教えてくれています。
演劇学科
自主創造の基礎I
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