古今東西どんな演劇作品も、中心にいるのは「この人生、なんとかしたい!」と叫んでいる人物です。王様を殺されてしまったり、殺されたと思ったら実は自分が犯人だったり、
ベンチでいきなりナイフを持った男に絡まれたり、待っているはずの人がいつまでも来なかったり…いろいろありますが、みんな今の自分に満足せず、このままじゃいかん!ともがいています。相手は、人、集団、社会、国家、運命、神々、あるいは得体の知れない不安…それがドラマを生み、ドラマを前へ進める原動力です。
「なんとかしたい!」と願う人の前には、必ず障害が現れます。邪魔してくるやつもいますし、自分自身が迷ってしまって行動を起こせないこともある。周りの環境が障害になることもありますね。逆に、目的がなければ何の障害もありません。今のまま、そのまま過ごしていればよろしい。しかし、それではドラマにならない。人生にならない。
つまるところ、ドラマは「願い」が形になろうとするものなのです。願い事はすぐにはかなわないけれど、かなえようと行動するその姿こそがドラマを生み、人をつなげ、世界を開きます。何かにいつも葛藤を抱えているそこの君、それは君の情熱が人生を前へ前へと押し進めているエンジンの音なんだ。
演劇学科では、戯曲を読み、声に出し、話し合い、そして実習授業で実際に舞台上でドラマを演じます。それは全身にヘッドマウントディスプレーを装着して、身体全体で人生をバーチャル体験しているようなもの。「ヘッド」だけじゃなく、「ボディ」を使って演劇の世界へダイブです。そこから戻ってきたときには、自分の人生もドラマチックに変わっているかもしれません。
コース:舞台構想・演技・舞台美術・舞踊
関連授業:戯曲講読演習・演劇概論・作家作品研究・総合実習
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