「なんとかしたい!」がドラマを生む。

この人生、なんとかしたい!

古今東西どんな演劇作品も、中心にいるのは「この人生、なんとかしたい!」と叫んでいる人物です。王様を殺されてしまったり、殺されたと思ったら実は自分が犯人だったり、

ベンチでいきなりナイフを持った男に絡まれたり、待っているはずの人がいつまでも来なかったり…いろいろありますが、みんな今の自分に満足せず、このままじゃいかん!ともがいています。相手は、人、集団、社会、国家、運命、神々、あるいは得体の知れない不安…それがドラマを生み、ドラマを前へ進める原動力です。

情熱のあるところ、障害あり

「なんとかしたい!」と願う人の前には、必ず障害が現れます。邪魔してくるやつもいますし、自分自身が迷ってしまって行動を起こせないこともある。周りの環境が障害になることもありますね。逆に、目的がなければ何の障害もありません。今のまま、そのまま過ごしていればよろしい。しかし、それではドラマにならない。人生にならない。

つまるところ、ドラマは「願い」が形になろうとするものなのです。願い事はすぐにはかなわないけれど、かなえようと行動するその姿こそがドラマを生み、人をつなげ、世界を開きます。何かにいつも葛藤を抱えているそこの君、それは君の情熱が人生を前へ前へと押し進めているエンジンの音なんだ。

ドラマは人生のバーチャル体験

演劇学科では、戯曲を読み、声に出し、話し合い、そして実習授業で実際に舞台上でドラマを演じます。それは全身にヘッドマウントディスプレーを装着して、身体全体で人生をバーチャル体験しているようなもの。「ヘッド」だけじゃなく、「ボディ」を使って演劇の世界へダイブです。そこから戻ってきたときには、自分の人生もドラマチックに変わっているかもしれません。

コース:舞台構想・演技・舞台美術・舞踊

関連授業:戯曲講読演習・演劇概論・作家作品研究・総合実習

演劇学科
松山 立
日本大学芸術学部演劇学科准教授。初めての演技は、たしか幼稚園のとき。お弁当の時間になぜか左利きだとウソをついて、それからずっと左手で食べる羽目に。演技には責任が伴うと痛感しました。それからいろいろあったんですが、大学卒業後にロンドンの演劇学校で俳優修業をして、帰国後は演技理論と実践をつなぐ研究をしています。ライフワークとして戯曲の読書会『本読み会』を主宰。趣味はランニングと野球観戦。練馬の街を走りながら、ベイスターズの優勝を気長に待っています。
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