留学経験をより豊かにする自己プロデュース

 留学を志す皆さんに聞いてみたいことがあります。皆さんは留学先でどのような人たちとコミュニケーションをとっていきたいですか?

 留学先にいるのは、ネイティブ・スピーカーばかりではありません。例えば語学学校には、世界各国からきた留学生がいるはずです。その中には、自分と同じ国からやってきた人もいるでしょう。皆さんは、その人たちとも交流する機会に何度もめぐり合うと思います。そこで追加の質問です。みなさんは、同じ場所からやってきた人たちともコミュニケーションをとりますか?それとも、母国語で話しちゃうから話さない?
 少なくとも日本人の留学生についていえば、ふたつめの質問について「留学中は日本人と話さないように気をつける」と考える人が一定数いるようです。でもね、それってとてももったいない自己プロデュースかもしれません。

 今は留学先で出会った人たちと帰国後もSNSで繋がれる時代ですね。でも留学後も直接的な関係性を築いていける可能性がある人たちから、同じ場所から旅立ち、現地でそれぞれ大変な経験をし、そのことを同じ社会の中で共有していける人たちを除外する必要はないはずです。それを思えば、「母国語を話す」という理由だけで関係性を断ってしまう前にできることがあるのではないでしょうか。

 留学先で出会えた誰かが一生付き合っていく友人になるかもしれません。留学先では、勉強することと同じくらい、自らの殻を破っていくような自己プロデュースにチャレンジし、人との関係性を築いていくことを大切にしてみてください。

芸術教養課程
山﨑 亮介
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