芸術学部キャンパスのドローン空撮映像(映画学科撮影・録音コース在学生撮影)が公開されました!

‍日本大学芸術学部では,在学生が様々な場面で大学のイベントや広報活動に参画しています。

今回は‍,公式WEBサイトにおけるキャンパスの3Dテクスチャーモデルコンテンツの公開に併せて,初の「無人航空機(ドローン)」を用いた,キャンパス空撮の映像制作を実施しました。撮影を担当したのは,映画学科 撮影・録音コース4年の土屋和聖(つちや かずまさ)さんです。

この度の‍ドローン空撮は,当初から計画していた内容ではなく,急遽,決定しました。

きっかけは,3月1日から3月8日にかけて開催された「日藝博覧会」の映画学科学生企画で「ドローンを用いたキャンパスの空撮素材をPR映像に使用したい」と,土屋さんから撮影・録音コースの穴澤勇樹(あなざわ ゆうき)准教授へ相談したことでした。

穴澤‍准教授を通して,芸術学部の教務課へ相談したときは,最初は無人航空機の撮影許可の実績が少なく,許諾に時間がかかるとの流れでしたが…

しかし土屋さんが事務局へ説明に訪れた際に,国土交通省および東京航空局の許可・承認書,一等無人航空機操縦者技能証明書の写し,保険加入情報等を提示し,非常に具体的で精密な飛行計画を提示したことで話は一転,資格と準備が万全であることから,芸術学部としての正式な許諾がスムーズに下りることとなりました。

‍その流れで,土屋さんへ芸術学部の広報活動にも協力を広報委員会を経てお願いすることとなり,快諾をいただいたことから,今回の映像制作が実現しました。

キャンパス空撮の実施にあたり,土屋さんを中心に穴澤准教授,事務局から御厨教務課長,広報担当の伊藤(翼),記録で入試係の吉沢などが協力しました。都心かつ住宅地で江古田駅に隣接する校舎をどのように安全に撮影するか,受験生を中心に多くの学外者に魅力的な校舎を伝えるにはどのような角度からの撮影が有効か,学生・教職員で忌憚なく意見を出し合いました。

調整を繰り返しながら緻密な‍飛行計画を打合せます
在学生でありながらも‍空撮のプロとして意見を出す土屋さん

―穴澤先生,今回,芸術学部では初めての試みでしたが,学生からの急な打診を学部側に正式に申請された背景など,教えてください。

3月に行われた日藝博覧会での映画学科 上映会のPR映像を制作したいと学生から話がありました。(日藝博覧会 映画学科上映企画記事 https://cross.art.nihon-u.ac.jp/post/337

映画学科上映企画は学生が実行委員会を作り準備から当日の運営まで自発的に活動しています。学部・大学院で学んできた成果を発表する場として、学生が作品制作から上映まで行い、観客のリアクションを近くで受け取ることができる良い機会だと思っています。

そのPR動画の一部にドローンで撮影した映像を使いたいという話でしたが、3年次から自発的に研究を行い国家資格を取得した土屋さんの準備が素晴らしく(都心での空撮は許可の申請や事前準備に時間がかかります),それ以上に学生さんの熱意に心動かされました。

大学では通常許可申請等に時間がかかるのですが、今回はあまり時間も無い中で事務局職員・教員・学生がうまく連携をとり実現できました。

撮影の当日は快晴,風も弱風でまさにドローン日和でした。専用機材に長時間の撮影にも耐えうるバッテリーを用意,複数のスタッフで安全を確保し,法令順守で撮影に臨みました。

専用のコントローラーを使用‍
国土交通省のサイト「ドローン情報基盤システム2.0」で周辺の飛行申請状況を確認の上、離陸します。

‍まずは芸術学部の象徴的な建物である「ギャラリー棟」から,北棟・西棟を抜けて東棟方面の撮影を進めます。このルートは芸術学部の象徴的な撮影ポイントで,入学後には,毎日通過する導線なので,入念に撮影を行います。

青空にドローンが離陸,上空150メートル未満まで撮影可能です。

-土屋さん,映画学科撮影・録音コースへ入学した理由・動機を教えてください。

小学生の頃から映像制作に興味がありました。映像制作といっても、当時はカメラはおろか、スマートフォンも小学生の間では普及していませんでした。実際に精力的に活動を始めたのは、高校の部活動で映像作品の制作をしたときでした。制作をする中で、自分は映像制作が好きなのだと気づき、進路を考えるときに自分の好きなことを学んでみたいと思うようになりました。そんなときに目に入ったのが日芸の映画学科でした。オープンキャンパスで大学を訪れ、大学生が制作した作品や充実した設備(特にフィルム現像機は日本でも類を見ない)を見て、ますますここで学びたいと思いました。撮影や編集に興味があったので、映画学科撮影・録音コースへ入学しました。

コンパクトながら‍ビル風にも安定性を発揮するドローン
校舎内にスタッフが分かれ,‍一時的に歩行者に待っていただきます
ドローンの‍後を追いながら,目視でも撮影します
雲一つない‍快晴で,ドローンの姿もはっきり確認できます
‍撮影する映像はリアルタイムにモニターで確認できます
校舎のギリギリの位置も撮影していきます

―土屋さん,ドローン撮影に興味をもった理由・動機を教えてください。

3年次で撮影専攻に進み、映画技術Ⅵで研究をすることがありました。どんなことを研究したいか考えたとき、今までに撮ったことがない画を研究したいと思いました。これまでに見てきた様々な映画を振り返り、『シャイニング』の冒頭、空撮による長回しが思い浮かびました。『シャイニング』に限らず、空撮は多くの映画で採用されていて、最近ではヘリコプターより手軽なドローンを使用した空撮ができるのではないかと考えました。実施要項の「注意すべき危険な撮影」に則り、先生方にも相談をさせていただき、国家資格である無人航空機操縦者技能証明(3年次当時は二等)を取得し、実際に撮影を行いました。

撮影場所の状況に即した対応、露出や光をコントロールする技術をアドバイスします

‍地上から目視での撮影を終えて,今度は江古田キャンパスの最高度から,遠隔操作でキャンパスの全景を撮影します。

‍撮影地点は西棟屋上へ,普段は学生,教職員は立ち入ることができない空間ですが,江古田キャンパスが東京都心の真ん中にあることを再認識させられる,絶景ポイントです。

屋上から‍飛行経路を確認する土屋さん
まさにドローンの‍離着陸に最適な,広い屋上だそうです
屋上から遠隔操作にて空撮を開始,電波の遮断がなきよう,ドローンの方向を向いて操作します
航空法で定められている飛行高度上限の150メートル未満まで上昇します
モニター越しに穴澤先生のアドバイスも熱がこもります
普段見れない‍江古田校舎の姿に没頭します
天気も良いので‍ドローンも粒ほどですが目視できます
理想の‍空撮映像を求めて校舎の外周をしっかり撮影します
今までになかった‍上々の映像に皆の笑みがこぼれます

‍撮影は2時間程度で完了し,穴澤准教授がその日中に簡易編集を完了し,確認作業を実施しました。

―土屋さん,今回の江古田キャンパスドローン空撮を終えた感想を教えてください。

江古田キャンパス上空は、東京国際空港外側水平表面に指定されており、東京空港事務局に飛行の確認を行いました。高度150m未満の場合であれば調整は不要とのことでしたが、人口集中地区に設定されていることもあり、気軽に(無許可で)飛ばせる場所ではありません。国土交通省および東京航空局より許可・承認を受け、安全第一で撮影を行いました。普段、江古田キャンパスを上から見ることはできないので、上空からしかわからないギャラリー棟の目玉マークや、すぐ横を走る電車など、新しい視点で江古田キャンパスを見ることができました。都心にあるキャンパスという特性上、中庭のビル風を危惧していましたが、全く問題なく飛行させることができました。キャンパスですので、最初のうちはどうしてもビルを見上げる圧迫感があります。しかし、人の目線より高く見下ろす視点の映像で江古田キャンパスの敷地外周を飛行させたので、まだキャンパスに通っていないみなさんでも、広い視点でキャンパスをめぐることができるのではないかと思います。総じて、これまでにない新しい映像を撮れたと自負しています。

―土屋さん,今回の撮影で映画学科撮影・録音コースの学びを生かした部分を教えてください。

映画学科撮影・録音コース(3年次からは撮影専攻)では、撮影の仕方だけではなく、撮影者や表現者としての画作りや考え方を習得できます。これらの基礎があってこそのドローン空撮であり、あくまでカメラが変わっただけです。今回の撮影でも、4年間を通して学んだことの応用で、基礎にドローンの操縦技術という要素を追加したものだと考えています。シネマカメラではファインダーを覗き、カメラを直接オペレートします。ドローンでは送信機のモニターを見て、操縦スティックで機体とカメラをオペレートする、この違いしかありません。

―穴澤先生,今回のドローン空撮に関して,どのような視点・ポイントで土屋さんへアドバイスをされましたか。

ドローンの技術に関しては土屋さんは素晴らしいスキルを持っています。

それ以外の部分、映像の見え方やカメラの動き方、光に関してなど撮影の根本的な部分で少し話をしました

土屋さんは撮影・録音コースで学んだことで撮影の基礎の部分を習得済みです。道具としてドローンを使うだけで撮影の根本の部分は変わらないです。学んだことを応用して素晴らしい映像を撮影してくれました。

‍おまけ,江古田キャンパスの夜景空撮

―穴澤先生,映画学科撮影・録音コースでは,ドローン空撮などの先端的な撮影技術を学ぶこと,生かせる知識や技能などはありますか。

撮影録音コースで学ぶことで撮影者や表現者として自ら考え、その場に即した対応や露出や光をコントロールする技術を習得し、卒業後に社会に出ても応用できる学びを得られると思います。

映画学科撮影録音コースでは基礎的な講義はもちろん1年次から16mmフイルムで実習を行い「撮影」「録音」の領域から実践的なカリキュラムで学びます、2年次には「監督」「演技」コースとの共同実習の中で、撮影・録音技術に加え照明技術や特殊撮影、より効果的なマイキングの考察、仕上げ作業に至るまで幅広く実践力を培います。

これらを踏まえて3年次に専攻を決定し、以降はより専門的な研究活動や作品制作を継続していきます。

土屋さん,今後,本学の大学院映像芸術専攻に進み,どのような表現者になりたいか教えてください。

大学院映像芸術専攻では、フィルムとデジタルを融合させる研究をしたいと考えています。先ほど、ドローンはあくまでカメラが変わっただけと言いましたが、フィルムにはやわらかい表現や粒子といったデジタルにはない良さがあります。そこで、ドローン含め最新のデジタル撮影においてもフィルムの良さを継承するべく、研究をしたいと考えています。この研究を通し、「デジタルの機動力」と「フィルムの表現力」を高い次元で両立させた、独自の視覚表現を探究したいと考えています。デジタルシネマカメラや最先端であるドローンの視点に、フィルム特有のあたたかみを加えることで、現実を超えた心情に訴えかけられるような映像体験を生み出したい。そんな、技術の先にある芸術を形にできる表現者になりたいです。

土屋さん、大学院でも引き続き頑張ってください。
記事をご覧の方々でこれから芸術分野を学びたいと考えている皆さん、土屋さんのように 日本大学 芸術学部 での学びを生かし、ご自身の興味や可能性を広げてみませんか?

‍江古田キャンパスで皆さんをお待ちしています!!!

映画学科
穴澤 勇樹
日本大学芸術学部映画学科撮影録音コース卒業。ピクト(現 電通クリエイティブピクチャーズ)にてシネマトグラファーとして活動。 多数の企業のCM撮影を務める。2019年より映画学科専任教員
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