ー当時を振り返り,日本大学芸術学部へ入学された動機など,教えてください。
高校は音楽科に通っていたので、音楽大学へ進学する選択肢も考えられたのですが、全ての芸術に興味がある自分にとって、8つの芸術系学科を持つ日藝は私にぴったりかもしれないと思ったので、受験し入学しました!
また、「音大」ではなくあくまでも一般大学なので卒業後の進路の選択肢が広がるところや、自由で活発な学校の雰囲気、数多くの有名人を輩出しているところなども惹かれたポイントです。
ー学生時代はどのようなことを専門に学ばれていましたか。また,学生時代はどのようなことに打ち込まれていましたか。
フルート専攻生だったのでフルートの実技を専門に学びました。「フルート専攻生」らしく、毎回の試験や学内演奏会には全力を注ぎました。選抜の演奏会に必ず出演する!常に一番を目指したい!と心の中で意気込んでいました。
ですが大学生活を語る上で欠かせないのが、「フルート専攻生」以外の活動の方かもしれません(笑)今思えばキャパオーバーになっていたのでは?と思うくらい様々な演奏会や企画に顔を出していて、常に何かしらのやるべきことに追われていました。
自分が代表となって学科の垣根を超えた演奏会を企画したり、演奏会のために約10曲編曲したり、約15曲のピアノ伴奏を請け負ったり・・・。それに加えアルバイトも4,5個くらい掛け持ちし、中高の教職課程も履修していたので、大半はコロナ渦で制約がありながらも、かなりわがままに詰め込んだ感じになりました!もし、「フルート専攻生」以外の活動をしていなかったら今の自分はいないだろうと思いますし、自分の可能性にも気付かないままだったと思います。日藝で様々な活動をしたおかげで、日藝ならではのユニークな友達も増え、先生方との交流も増えました。可能性を感じるとても有意義な時間になったと思います!
ー学生時代に印象に残っている授業科目や課外活動などはございましたか。
「音楽共同制作」は、本当に履修してよかったと思っています。映画学科と音楽学科の、制作のできる学生が履修できる授業です。各学科2,3人程度の4~6人グループを作り、映像は映画学科、音楽は音楽学科の学生が担当し、限られた日数で1つの映像作品を作るという夏季集中型の授業です。
まさに、日藝らしい授業だったと思います!大体の学生が入学時にやりたいと口にする「他学科との交流」は、普通に過ごしていたら実は見逃しがちなので、この授業を見つけた時は心が躍りました!とても刺激的な授業でした。
課外活動としては、学園祭でBlue Art Jazz Orchestraという歴史あるビッグバンドに参加できたことが嬉しかったです。私はコロナ渦と大学生活が丸かぶりの世代なのでみんなと関わる機会がとにかく少なくて寂しく思っていました。そしてみんなと関わりたいという気持ちだけで入団しました(笑)良い思い出です!
ー日藝に入る前のイメージと,入学後,卒業後のイメージにギャップはありましたか。
他学科の人との交流がこんなに楽しいとは思いませんでした!芸術のことがより大好きになった4年間です。
また、ここまで活発な雰囲気の大学だということも知らなかったですね。学園祭はもちろんのこと、七夕やハロウィンなどの季節行事も全力で盛り上がっています。日藝のそういうところがすごく好きです!
ー学生時代に抱いていた「こうなりたい、こんなことをしたい」という「夢」について教えてください。
中学、高校時代からとにかくフルートばかりやってきたので、大学1、2年生の頃まで、「もちろん私はフルートの演奏で生計を立てたいに違いない」と決めつけていました。ですが、コンクールを受けてみたり演奏会に出たりする中で、私がやりたいことって本当にこれなのか、やっぱり違うかもしれないとうっすら思いはじめました。
そして大学3、4年生では結局何がやりたいのか分からないまま、一般の大学生と同じように就活をしました。明確な将来像や夢は特に抱いていませんでしたが、将来は、芸術に親しんで仕事やプライベートを充実させたいという気持ちは一貫してあったと思います。
ー現在のお仕事に就かれた理由や動機などを教えてください。
私が勤めている村松楽器販売は、村松フルート製作所で作られる「ムラマツフルート」の総発売元の会社です。「ムラマツフルート」は「世界のムラマツ」と言われるだけあって、その高い製品力で業界の中でも圧倒的な知名度を誇っています。実際に私が中学生から現在まで使用している楽器もムラマツのフルートで、ここで扱っている楽譜もよく購入していたので、信頼感も親近感もありました。また、募集要項にあった求める人材の部分が自分にぴったりだと思いましたし、何よりこれまで全力でやってきたフルートの経験を業界の最前線で活かせるなんて、心惹かれないわけがなかったです!内定をいただいたときには、両親だけでなく今までお世話になった先生方も喜んでくださって、本当に入社できてよかったです。
ー現在のお仕事の内容ややりがい,こんな形で社会とつながっている,といった紹介をお願いします。
国内版の楽譜と、国内・輸入含むすべてのCDの仕入を担当しています。具体的には、様々な出版社やレコード会社、フルートプレイヤーとのやり取りから仕入まで、全国各支店の在庫の管理などを一人で行っています。働いていて感じるのは、フルート人口の多さと楽譜の需要の高さです。私は直接お客様と接する機会はないですが接する機会がなくとも、どの楽譜が今必要とされているのかが伝わってくるので、需要に合った仕入をするように心がけています。
ー現在のお仕事で「日藝」時代の学びや経験から得られた能力などがあれば教えてください。
日藝時代に積極的に色々なところに首を突っ込んでいたおかげで(笑)、どんなにタスクを抱えていても音を上げないキャパシティの広さを手に入れたところや、報告や連絡の習慣がついたところなどが、実際の業務でも活かせていると思います。楽器についての知識、様々な楽曲や楽譜、演奏家についてなどの日藝で学んだ専門性の高い知識も、もちろん役立っています。
ー現在のお仕事を進める中で日藝を出て,良かったと感じるエピソードなど,ございましたら紹介ください。
日藝と言ったら誰でも伝わるその知名度ですかね‥。私が、日藝で良かったと一番感じるのは、そもそも、まず「仕事に就けた」ことです。これは本当に日藝のおかげだと思います。音大は就職をする人がそれほど多くないと聞いていますが、日藝は、就職をするという選択肢が当たり前にある環境です。これは、日藝がもっとアピールポイントにしていい部分だと思います!
ーこれから受験を考えている高校生に,日藝をお勧めする(としたら)一言をお願いします。
日藝は、自分から積極的になればなるほど多くの刺激と学びが無限大に得られる場所だと思います。なにか面白いことがやりたい、色々な芸術が大好きという人に、自信をもっておすすめできます。入学した暁には、もっとこうすればよかったが無いように、日藝の良いところを貪り尽くしてください!(笑)ここでしかできない経験がきっとできるはずです。
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