CAREER Model インタビュー企画 東京リスマチック株式会社 新宿センター所属 美術学科/絵画コース卒業 勝間 茉里奈 さんに聞いた「日藝」とは??

ー当時を振り返り,日本大学芸術学部へ入学された動機など,教えてください。

私は高校生の頃から美術大学の油絵科を目指して美術予備校に通っていました。色んな学校を調べる中で日藝を見つけ、絵画だけでなく、映画、放送、演劇と自分の触れてきた分野と少し離れている芸術を様々学べる環境に興味を持ち、この環境で絵を描いてみたいと思ったのがきっかけです。

卒業制作 左「猫とスカイツリー」 右「東京に巣食う」

ー学生時代はどのようなことを専門に学ばれていましたか。また,学生時代はどのようなことに打ち込まれていましたか。

最初は油絵を描くつもりで入学しましたが、1年の頃の体験授業で版画に興味を持ち、美術学科の絵画コース版画専攻として、4年間版画を制作していました。その中でもリトグラフという版種を専門に制作しており、現在のオフセット印刷と似た仕組みであることから、現在の職業である印刷業に興味を持つきっかけにもなりました。

リトグラフで版を制作して、色ごとにすり重ねていく様子

ー学生時代に印象に残っている授業科目や課外活動などはございましたか。

4年生の夏に日本大学生産工学部の方々と共同で、子供たちへの防災イベントを行ったことです。生産工学部の方々の企画したイベントだったのですが、実際に地面にチョークで絵を描き、最後に消防車で洗い流すという内容だったため、美術学科の私も協力させてもらいました。全く違う事を学んでいる学生同士で協力し合い、1つの企画を成功させるのはとても達成感がありました。

防災イベントの様子。この後、消防車のホースでチョークの絵を洗い流す体験も行いました。

ー日藝に入る前のイメージと,入学後,卒業後のイメージにギャップはありましたか。

入学前は色んな学科があると言えど、それぞれが専門の分野を極めるイメージがありましたが、入学してからは一部他学科の授業を受けることが出来たりと、思ったより広い分野を学べる機会が多いと思いました。卒業後は思ったよりも多くの方々が日藝を知ってくださっていて、日藝出身ですという話をすると話が弾むことが多いのが嬉しかったですね。

ー学生時代に抱いていた「こうなりたい,こんなことをしたい」という「夢」について教えてください。

学生時代は正直、これになりたい!という明確な夢はありませんでした。ただ、小さい頃から絵を描くことが好きで、将来は何かを創り出すことに携わりたいと思っていました。絵は仕事にしませんでしたが、今の仕事は印刷を通してモノづくりができているので、夢が叶っているのかなと思います。

学芸員の資格過程で様々な学科の学生が協力して日芸生のルーツを辿った展示「表現者解体新書〜私たちのルーツと今〜」の様子。

ー現在のお仕事に就かれた理由や動機などを教えてください。

就活の時期になって、絵を描くことを仕事にすることは何か違うな、と感じました。それでもこの4年間学んできたことを何か仕事に活かしたいと思ってたどり着いたのが、版画の発展形とも言える印刷業です。版画と同じく版を作り、紙に刷ることで成り立つ印刷業なら4年間学んできた経験をどこかに活かせるのではないかと思い、現在の職種を志望しました。

ー現在のお仕事の内容ややりがい,こんな形で社会とつながっている,といった紹介をお願いします。

今は研修の一環で受注業務と生産業務の両方を行っています。印刷会社のやりがいはなんと言っても自分の携わった印刷物を街中で目にすることができる事ですね。先日私が受注した案件が自社の中でもかなりイレギュラーな商材で、悪戦苦闘しながら何とか納品したのですが、後日SNSで話題となっていたニューオープンのお店に使われていて、こんなに多くの人の目に留まるものに携われたんだとモチベーションになりました。

ー現在のお仕事で「日藝」時代の学びや経験から得られた能力などがあれば教えてください。

私の働く会社は受注から納品まで全て自社で行うので、お客様だけでなく、工場の方、デザイナーの方など多分野のプロ達と関わります。そういった意味では、あらゆる分野を学ぶ人が集まる日藝でそれぞれの武器を持ち合わせて1つのものを作るという経験が積めたことは、今の仕事にとても活きていると思います。

今年の3月頃には日芸の企業説明会に卒業生として参加させていただきました。

ー現在のお仕事を進める中で日藝を出て,良かったと感じるエピソードなど,ございましたら紹介ください。

版画専攻の同期が私の職場に画集制作の相談をしに来てくれたことです。やはり日藝の人たちは創作をする人が多いので、画集やグッズ制作など、自分の仕事が同期の創作を手助けできるのはとても嬉しかったです。これもひとつの合作と言えるのかな、と思いました。

ーこれから受験を考えている高校生に,日藝をお勧めする(としたら)一言をお願いします。

日藝は他の大学より個性的な大学だと思います。こんなに様々な分野の芸術を学ぶ人が集まる学校は多くありません。色んな考え、技能を持つ人と沢山関わって影響を受け合い、自分の創造力を高めあえる空間だと思います。いい意味でちょっと変わった人だらけの日藝、きっと退屈はしないはずです。

美術学科/絵画コース 2023年卒業
勝間 茉里奈(カツマ マリナ)
東京リスマチック株式会社 新宿センター所属/一般選抜
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