日藝図書館企画トークイベントである日藝ライブラリーカフェ。第10回は、「絵本を楽しむライブラリーカフェ」と題し、文芸学科卒業生で、子どもの本編集者の沖本敦子さんと、板橋区立中央図書館・ボローニャ絵本館司書の笹岡智子さんを講師としてお招きしました。
沖本さんからは、編集者としての仕事の流儀、絵本の作成秘話などをお話しいただきました。手掛けた本が国際的にも評価され、海外の仕事もされる沖本さんからは、こんな勇気づけられるメッセージも。
「国際的な仕事というと、選ばれた有能な人間の集まりだと思う人が多いかもしれない。だけど、日本人は海外の方よりも英語のミスを恐れる傾向があるだけ。もっと気を楽にして、とりあえずやってみることを大事にして欲しい。さらには、自分の失敗も、そして他人の失敗も、『あれは無い』ではなく、『あれも有り』と笑うことで、他人のことも、自分自身の仕事も好きになる瞬間を大切にして欲しい」
司書の笹岡さんからは、絵本の魅力と司書の仕事のお話などを伺いました。音楽、映画、ドラマだけでなく絵本の世界でも現在注目を集める国の1つである韓国のほか、児童書大国であり優れたイラストレーターを多く輩出しているイランなど、世界の絵本と絵本事情が紹介されました。
お二人の、「編集者」や「司書」の仕事について愛着を持って語られる様子、発せられる肯定的なメッセージは、ライブラリーカフェに集ったみんなに爽やかな感動を与えてくれました。
日藝図書館では、今後も好奇心を刺激するようなライブラリーカフェを開催する予定です。ぜひお楽しみに。
写真撮影:写真学科 安彦裕介
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