

草思社より『増補新版 映画の匠 野村芳太郎』(野村芳太郎著、小林淳/田中ひろこ編、野村芳樹監修)が刊行され、本学映画学科の宮澤誠一名誉教授が1987年に野村芳太郎監督へ行ったインタビューが収録されました。
今回収録されたのは、「個人別領域別談話収録による映画史体系 その3」(1987年3月31日)として実施されたインタビューです。通常は2時間ほどを予定していたところ、話は約4時間に及ぶ長時間のものとなり、文字化した原稿については野村監督自身による校正も行われました。宮澤名誉教授は、このインタビューについて「成長記録が面白かった」と振り返り、野村監督について「自然と映画に馴染んでいた方だった」と語ります。
野村家のルーツは、浮世絵や役者絵の看板描き、興行、芝居小屋へとさかのぼり、やがて映画へとつながっていきます。父は松竹蒲田撮影所長を務め、監督としても活躍した野村芳亭。芳太郎監督自身も松竹蒲田撮影所の敷地内で幼少期を過ごしました。そうした環境のなかで成長し、いわゆる「活動屋」と呼ばれた時代を経て、映画監督としてデビューするまでの軌跡が、本人の言葉で生き生きと語られています。
日本映画史を考えるうえでも貴重な証言が、今回あらためて広く読まれる機会を得ることとなりました。

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