9人の在学生インタビュー
日藝人の受験体験と今
在校生
2021年度映画学科入学
佐々木いず美
映画学科/映像表現・理論コース
一般選抜A個別方式 利用

日本大学芸術学部へ入学された動機は?

一番の動機は「死ぬまでに誰かに何かを伝えたい」と思ったからです。ネットのおかげですぐに情報を伝えられる世の中ですが、葛藤を含んだ気持ちや悩みを伝えたいと考えた時、ベストな方法は映画かなと思ったので入学を決めました。私が映画学科を受験するために、まず私の親の「映画は趣味・娯楽の分類であり、学問ではない」という意見、つまり趣味は独学で十分であり、わざわざ大学で学ぶ必要はないという親の考えを変える必要がありました。

いくら「この映画のこのシーンがおもしろい、こんな映画を作ってみたい」というような話をしても、感想は趣味の領域で留まっているしカメラの解説書などは本でもweb記事でもたくさんあると言われてしまい、なかなか説得することはできませんでした。私が親の説得に使っていた映画(『The NeverEnding Story』ヴォルフガング・ペーターゼン監督、日本公開1985年)が好きな理由の一つが、オランダに留学していた際、ホストファミリーと仲良くなれたきっかけになったからでした。

映画記録ノート…5年くらい前から見た映画の感想やお気に入りの場面、セリフ、逆にあまり好きではなかった場面やその理由についてメモしたノートです。1映画1ページを目安にしています。最近はメモできるアプリもありますが、スマホの自動変換で表現する言葉の幅が狭められてしまっている気がして、手書きで書き続けています。(記録付にアプリも使ってます)

英語力に自信がなく、現地に着いてからは周りに日本語が通じる人が全くいない環境でなかなかリラックスできなかったのですが、ずっと緊張状態の私を心配したホストファミリーが会話の種にたくさん映画を見せてくれて、感想を語り合うことが仲良くなるきっかけになりました。ホストファミリーは基本英語を話すようにしてくれてたのですが、たまに出てくるオランダ語(私は全くわかりません)も+表現か−表現かは、映画の感想を語っている時には理解することができました。このことを記録帳を見返しながら説得する理由を考えていた時に思い出し、「言葉を正確に理解することができないし、留学したてで笑いのツボやジョークが全くわからない状態でも、たくさん話ができて通じ合える部分、似た感情を共有できる経験は趣味の領域で説明できるものではない」と考え、「コミュニケーションの媒体としての映画を勉強したい」と親への伝え方を変えました。

ただ映画を見て「よかったね〜」と話すのではなく、その映画がきっかけで誰かとの関係がより良くなる環境を作れるようになりたいとするならば、自分がただ映画を見ている視点以外の視点から映画を見なければならないのではないか。新しい視点を得るには、多くの方々の視点や意見を参考にしなければならないため、大学の映画学科に進みたい。このように親に伝え、趣味の延長ではないことを理解してもらいました。

一般選抜を選んだ理由は?

親に納得してもらえるような志望動機や決意をしっかり言葉で伝えられたのが12月で、残りの受験方式が一般選抜だったからです。

学力試験(国語・英語)において注意した点は?

国語はとても苦手だったので、問題文を焦って読み飛ばさないように気をつけました。緊張で混乱すると問題文の内容を「難しい」と錯覚してしまうので、何が主張で何が具体例かを常に確かめるようにしました。英語は「なぜその選択肢が作られたのか」、選ばない選択肢が作られた理由を考えるようにして、ケアレスミスをしないように気をつけました。

専門試験において注力した点は?

小論文、面接ともに、自分の主張は何かを常に考えるようにしました。緊張すると具体例などを多く話してしまいがちですが、一番伝えたいことは主張なのでまず「1番に主張を言うぞ」と言う気持ちを忘れないようにしました。面接の時は当たり前ですが、目を見ることも気をつけました。面接官だと思うと緊張して目を見れなくなりそうですが目で訴えることを忘れないようにしました。

一般選抜は試験までのスケジュールや体調管理が大変だったと思いますがどのような点に気を使いましたか?

勉強机に向かいっぱなしだと心も疲れてしまうので、毎日1時間ほど英単語を聞きながら散歩したり、英語字幕英語音声で映画を見たりしていました。他には毎朝同じ時間に起きたり、食事の時間を揃えたり、できる限り今までと同じことに取り組み、とにかく精神面に気を使いました。

一般選抜を受験しようと考えている受験生にメッセージをお願いします。

受験しようと思った気持ちが大きな一歩だと思います。その気持ちを持った後はたくさんの課題が見えるかもしれません。ですが、小さなことを一歩ずつ着実に進めば終わりのない課題はないので、心を強く持って頑張ってください。

高校の最後の大会後の写真です。マネージャーをやるようになってからたくさん写真を撮るようになり、カメラに興味を持つようになりました。

現在学んでいることは?

どの先生の授業も面白いですが、特にアニメーションの授業が楽しいです。ただ、絵を描いて並べるのではなく、よりリアリティを持たせるにはどれくらいの速さで動かすのかを考えることはとても難しいですが、一つの動きを描き終えたときの達成感が楽しいです。

高校生のうちにやっておけば良かったなと思うことは?

たくさん本を読んで、映画を見て、写真を撮って、演劇を見に行って…などさまざまな体験をすることです。家に帰ってからはSNSや寝るだけの生活になってしまっていたので時間がもったいなかったなぁと思います。言い訳をせずに「見たい」「やってみたい」と言う気持ちに素直になっていればよかったなと思います。

コロナ禍で対面の授業も限られていたので、日芸祭がほかの学年、学科の方とたくさん知り合うきっかけになりました。また、入学前にTwitterで見つけたゲーサイヌの存在を初めて目視で確認した瞬間でもあったので、架空のキャラじゃなかった感動もありました。予想以上にふわふわでかわいかったです。

学生生活の中で印象に残っていることをお聞かせください。

周りの友達が自主制作でMVを作っていたり、アニメを作っていたり、漫画を書いていたり…周囲の創作に対する熱がとても熱く、自分の創作意欲が掻き立てられることです。みた映画の感想をみんなで長く語り合えることも日藝に入ってからの経験だったので印象深いです。

撮影実習の時の写真です。

これから受験を考えている高校生に日藝をお勧めするポイントは?

他人ウケではなく、自分ウケ満点の自分に!!

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