長谷川貴大関連画像- 卒業生インタビュー

トロンボーン奏者になりたいと思った日のことは、
今でも風景、音、空気を
全て思い出せます。

長谷川 貴大

手が届いてしまったことで出会ったトロンボーン。

最初からトロンボーンをやりたいわけではなかったんです。もともと家でエレクトーンを弾く等、音楽には触れていました。小学校には合奏部があり、友達もたくさん所属していたので、遊びに行くような感覚で入部しました。合奏部は練習が盛んで、昼休みになると自主練習のような形で音楽室に人が自然と集まったり、コンクール前の体育館練習では数人で曲を始めると、気づいたら全員で合奏していたりするような部活でした。

小学5年生の時に入部した際、楽器の希望を聞かれ、見た目のかっこよさでアルトサックスが第1希望でした。でもサックスは人気で、その部にある楽器の数にも限りがあるので簡単なオーディションで決めることになったんですね。1 週間後にドレミファソラシドができるかを見る試験をします、みたいな感じで。初日で音が出て運指もなんとなくできたので、僕は部活にも行かず外で野球をして遊んでいたんですね。試験の時、周りの人は練習をちゃんとしていてめちゃくちゃ上手くなっていたので、僕は当然落ちました。

「第2希望は?」と聞かれ、トランペットと答えたのですが、これも人気のある楽器なので埋まってて。そこで、先生からトロンボーンを勧められたんです。すると、トランペットだと音が出なかったのに、トロンボーンだと音が出ちゃったんですよ。それに、6・7ポジションに届いてしまって。トロンボーンはスライドを伸ばしたり縮めたりして音程を変える楽器で、ポジションが近い順に1から7ポジションまでありますが、6・7ポジションは小学生には届かないことが多いんです。小学生の頃、わりと背が大きかったからか、先生は大きい金管楽器を担当させたかったのかもしれません。それで先生から君はトロンボーンにしようと言われました。ただ、トロンボーンで音が出たのには理由があって、小学4年生のときの昼休み時間に合奏部に遊びに行き、一度だけトロンボーンを吹かせてもらったことがありました。この時の経験があったので、音がすぐに出たんだと思います。ということは、僕の人生を決めたのは、実はこの遊びに行った時だったのかもしれません。

大学にはとにかくレッスンと練習のために通う日々。
自主公演で演奏以外に大切なことを沢山学べました。

中学校は吹奏楽部で、高校は1年だけ管弦楽部でした。同時に小学校から高校まで地元のジュニアオーケストラにも所属していました。

高校時代は、プロのトロンボーン奏者になりたいと漠然と思っていました。いろいろとご縁があって高校生の時に古賀慎治先生に出会いました。その当時、古賀先生は東京都交響楽団のトロンボーン奏者として活躍しながら、東京芸術大学と日藝で教えていました。 レッスンをしてくださっていた古賀先生が非常勤講師をしていたこともあり、進学先に日藝を選びました。入学前は、夏期講習会や冬期講習会を受講し、準備をしました。その時、気さくに声をかけてくれる先輩がいたり、練習室を使わせてもらえたので、大学生生活を想像することができました。入学してからは、他学科を含め個性的な人が多いなという印象でした。

大学へはとにかくレッスンと練習に通う日々でした。今思えば、もっと他学科の授業を受けてみても良かったかなと思います。大学ではトロンボーンの他、副科でピアノと声楽を学びました。大抵、学校が閉まるまで練習をしていました。記憶に一番残っているのはトロンボーン専攻生有志による定期演奏会ですね。学外での演奏会なので、企画はもちろん、自分たちでホールを予約をして、楽器屋さんに協賛をお願いしたり、ゼロから全部準備するんですね。年に一回の定期演奏会の準備はすごく大変でしたけど、みんなで協力してなんとか形にできたので、とても良い経験になりました。この学外での演奏会を通して、演奏する以外にも大切なことをたくさん学べました。

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©︎伊藤厚写真事務所

この道に進みたいと思った時の情景は今でも思い出せます。

子供の頃からオーケストラで演奏をする人になりたいと思っていました。小学6年生の時、地元であった博覧会でジュニアオーケストラの演奏会があり、そこで初めてベートーヴェンの第九を演奏したんですが、3番パートを担当し、4楽章に目立つメロディがあったので、とても緊張したのを覚えています。その時のアンコールで夕焼け小焼けを演奏したのですが、その時にもっとトロンボーンを演奏したい、トロンボーン奏者になりたいと思ったんだと今になって思います。今でも、その風景、音、空気を思い出せます。

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演奏する度に、好きな楽曲が増えていく。
そこがいちばんのやりがい。

今、シエナ・ウインド・オーケストラに所属しています。吹奏楽は弦楽器が多い管弦楽と違ってやはりたくさんの管楽器、打楽器とコントラバスで演奏するので、管弦楽とはまた違った迫力があるように感じます。好きな吹奏楽曲は?と聞かれることがありますが、演奏する度に好きな曲がどんどん増えていきます。そこがやりがいだと感じます。

(※職業・勤務先は、取材当時のものです)

長谷川貴大プロフィール
長谷川 貴大 はせがわ たかひろ
2011年音楽学科弦管打楽コース卒 
シエナ・ウインド・オーケストラ トロンボーン奏者
Brass Ensemble ZERO Tokyo メンバー
尚美ミュージックカレッジ専門学校、日本大学芸術学部音楽学科非常勤講師。

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