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アートに関していろんな考えの人がいる。日藝で得たこの気づきは、子どもたちの将来の可能性を広げる。

沖山 遥

小さい頃から絵を描くことが好きで、
褒められることで自己肯定感が上がっていた幼少期。

子どもの頃、描いた絵を父や母に褒められたりすると、やっぱり嬉しくて自信がついていたなと思います。井の中の蛙ではないですが、周りの人に褒めてもらって嬉しくなり、悪い言い方をすると、ちょっと調子に乗ってまた描くみたいな。

今、大人になって考えると子どもの頃に自己肯定感が上がっているから、自分は他人と比べてもしょうがないって変換できるようになりましたね。自分がすごいとか、自分には個性があるとか、そういう自己肯定感というよりは、他人と比べても自分はその人になれない、自分は自分なりにやっていくしかないぞという肯定感ですね。

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古美術研究での研究旅行

陶芸やテンペラ画、版画などやったことのない体験が
今の自分の基礎となった学生時代。

教えてくださっていた先生が日藝卒業だったり、いろんなことに興味があったので、もう日藝が最適だなっていう感じで進路を考えていました。

学生時代は4年間、油絵を学びました。抽象的なものと具象的なもの両方を描く半抽象のクラスで先生方にご指導いただきました。部活にも所属し、他学科の学生との交流は楽しかったですし、他の美術大学のサークルにも積極的に所属していましたね。授業では陶芸やテンペラ画、版画などやったことのない体験もさせていただきました。古美術研究の課外授業でも普段見られないような作品を見せていただけて特別な経験になりました。また、専門科目の授業はもちろんですが、教員免許や学芸員資格を取るための授業がすごく興味深く勉強になりました。自分たちで美術館とか博物館を企画するという授業があって、それがすごく面白かったですね。教室1つを美術館に見立てて3・4人グループで作っていくのですが、先生からは「日本の美術館や博物館は(文字の関係などで)左回りである」と、企画をする側が意識しないといけないことを教えてもらいながら作っていく感じです。

学生時代に実は「アーティストになりたい!この職業につきたい!」というものがなく、いろいろな事をしてみたいし、まだまだ絵も描きたいという感じでしたね。実際、日藝でも様々な経験をさせていただいたので、これもあれも楽しいなと将来が広がった感じがしていました。大きな目標に向かって頑張る方もいると思いますが、いろいろな事に興味があってどうしようか迷いながら大学に通う方もいると思うので、どちらの方にとっても日藝はとてもいい環境だと思います。

そんな日藝時代の経験のおかげで「アートに関して様々な考えの人がいる」という当たり前のことを、しっかりと念頭に置いて子ども達と接する事ができていると思います。例えば、油絵専攻なのに手が汚れることが嫌いだし、制作は苦しいだけという友人(だけど素敵な作品を描き続けている)がいたり、アトリエまで借りてたくさん制作してるのに、自分が描きたくて描いているだけだから発表する意味がないという友人がいたり。制作には苦しさはもちろんつきものですが、苦しいだけだったり、たくさん制作してるのに発表はしないだったり、面白い考えだなと思いました。いろいろな考え方があるのは頭では分かっていますが、実際に話して聞いてみるとそんな考えもあるのかと素直に納得できることが多かったように感じます。

きっと子ども達のなかにも伝えることが苦手な子もいるとは思いますが、いろいろな思いや考えで制作していると思うので、決めつけをしないで接するように気をつけています。

子ども達が解放される場所をつくりたい!
それが今の仕事に就いた理由。

今の仕事に就いたのは、幼稚園から小学校低学年の頃に通っていた絵画教室の先生の影響です。先生が辞めて通えなくなってしまいましたが、本当にその教室と先生が大好きでした。普段は騒がしい子供でしたが、無心になれる場所でひたすら静かに絵を描いていましたね。年を重ねるにつれていつかは自分でやってみたい、子ども達が解放される場所をつくりたいなと思っていました。そのタイミングは思いのほか早く、30才の時にきて今に至ります。そのきっかけも日藝の同級生でした。同級生が紹介してくれた絵画教室で働かせていただけることになったからです。

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絵画教室

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将来の夢をもっと具体的に「こういう学科があって、
こういう仕事があるんだよ」と伝えていきたい。

日藝は本当にいろいろな方がその名前を知ってくださっています。たくさんの有名な方を輩出されていますし、いろいろな話題があり、すごく誇らしいです。アートに興味がある子ども達と接する中でいろいろな話をするのですが、小さい子には将来の夢、中高生には具体的にこういう大学があってこういう仕事があるんだよと、自分の卒業した学科以外の事も伝えていきたいです。

(※職業・勤務先は、取材当時のものです)

沖山遥プロフィール
沖山 遥 おきやま はるか
2005年美術学科絵画コース油絵専攻卒 41歳。
2013年絵画造形教室OCHOを開業
主に園児から高校生に絵画や工作などを指導

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