頼れる仲間を巻き込んで
アイデアを形にする。
楽しさは、学生時代も
今も変わらない

映画学科
Rak(ラク)

幅広いジャンルの芸術を学びたいから、日藝一択

小学5年生からダンスを始めると同時に、衣装デザインもやるように。絵を描くことは小さい頃から好きでしたが、こう動くからここにこんな飾りをつけて、などと考えを形に落とす面白さを知ったのはこれが最初だと思います。高校は美術コースだったのですが、ダンスのような身体表現も、演劇も、音楽も、写真も、映像も、そして考えを形にするデザインにも触れたいと考えた時、選択肢は日本大学芸術学部だけでした。

しかし入学直後は、絶望しました(笑)。東京の芸術系大学なのだから、周りにはクリエイティブに対する熱意あふれる人ばかりに違いない!と期待していたのですが、デザイン学科の学生は漠然と何かを作りたい意思はありつつ、強烈な情熱は感じられなかった。でも、後から考えたら当然なんですよね。普通科の高校から来ている人が多いので、入学後に学びながらやりたいことを見つけていく。なので1、2年生の頃は、刺激を求めて意識的に他学科の学生と触れ合うようにしていました。

それが2、3年生と進んでいくと、インダストリアルやグラフィック、建築などそれぞれやりたい分野が定まっていき、私の知らない専門性を持つ同級生が増えていきました。リスペクトできるし、付き合っていて面白い。他学科にも同じ学科にも付き合いのある人が増えたのは、結果的に、今の仕事に大きなプラスとなっています。

ドイツでのワークショップ、授業、
そして就活も。楽しいことだらけ

2年生と3年生の間の春休みに、ドイツのKISD(ケルン インターナショナル スクール オブ デザイン)でタイポグラフィーのワークショップに参加しました。KISDと日藝の交換授業で笠井則幸先生がケルンに行くと聞き、「アシスタントするから連れて行ってください!」と頼み込んでついていきました。タイポグラフィーを専門的にやろうとは思っていなかったのですが、大変勉強になりました。そして、なんだかんだタイポの仕事を結構していたりします。

帰国後の3年次に選択した授業は、サイエンスコミュニケーションやプロモーションを始めとして、自分の方向性に影響を与えるものが多かったように思います。特にプロモーションの授業で広告コミュニケーションについて学んだことでアートディレクターになりたい気持ちが固まり、また担当の布目幹人先生に「広告に向いている」と言われたことが、広告代理店に就職する大きなきっかけとなりました。

広告代理店を目指した就活も、楽しかった!ポートフォリオを強化し、面接やプレゼンテーションに臨む。今まで学んできたことは「練習」で、面接は「試合」に出させてもらう気分でした。「試合」を繰り返すことで筋肉がついた実感があります。そして希望どおりに広告代理店に就職することができました。

自分で勝手にアートディレクターになった

入社したマッキャンエリクソンは外資系の大手広告代理店ですが、自由な風土があります。3年ぶりのクリエイティブ採用だったので、自分だけではなく会社も「新卒って何ができるんだろう?」と手探りの状態でした。役職が結構上の人に「デザイン得意じゃないんで、デザインアシスタントじゃなくて企画とアートディレクションもやらせてください」と直言したところ面白がってもらい、入社した年にお菓子のキャンペーンを任されました。その時に勝手に名刺の肩書をアートディレクターに書き換えました(笑)。

服飾メーカーとタイアップしてお菓子の柄に合わせたカットソーを作ったのですが、楽しかったですね。その後もやりがいのある仕事を多く担当させていただいたのですが、会社員だとどうしても景気や企業の事情に左右されるところがあると気づき、独立することにしました。

今まで通ってきた道で出会った人たち。
すべてを巻き込んでつくる

それから3年。フリーランスとしてさまざまなアーティストや企業のデザイン、アートディレクション、ブランディングなどに携わらせていただいています。藤井風さんのMV『青春病』のMVのタイトルデザインを担当させていただいた時には、SNSなどでファンの方の熱い想いのこもったリアクションをいただき、共鳴できたと感じました。また、大学生時代からファンであるアイヴァンに企画を売り込んで、50周年キャンペーンのお仕事をいただけたのも嬉しい。クリエイティブディレクターとして「眼鏡のファッションショー」や映像、グラフィック、店頭施策など、幅広く企画・ディレクションをしました。

届ける相手が見えて、表現に目的がある広告の世界が、私は好きですし、向いていると思っています。そして、群れでモノを作ることが好き。「3Dデザイナー助けて!」「撮影部、力を貸して!」といった呼びかけにすぐに応えてくれる、頼もしい仲間にたくさん出会えたこと。

これが日藝で得た一番大きなものかもしれません。大学時代みんなで盛り上がりながら自主制作をやったノリで、今も楽しく仕事に臨んでいます。私は軸となるアイデアを考え、集まってくれた仲間たちの能力を最大限に引き出し、作品を想像した以上のクオリティに導ける、そんなディレクターでありたいと思っています。

(※職業・勤務先は、取材当時のものです)

RAK ラク
28歳。McCann Ericksonを経て、TM INC.に所属しつつフリーランスで活動。
クリエイティブディレクション、アートディレクション、
コミュニケーションデザインなどを手がける

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