エンドロールに載りたい。
その想いの先に、
カラーリストという
仕事があった

映画学科卒業
小倉 奈々江

エンドロールに載るために選んだのが、日藝

小さい頃から映画を見たり、映画館に行くのが好きでした。そして、高校生の頃。映画館でエンドロールが流れるのを見て「この中に載りたい。ここに入れたら、楽しい仕事ができそう」とふと思ったのが、映画に関わる仕事がしたいと思うようになったきっかけです。絵を描いたり、モノ作りをしたりするのも好きだけれど、それを仕事にするのは難しそう。でも、エンドロールにはこんなにたくさんの人が載っているのだから、自分も入れるのでは? この中で好きなことができるのでは? という気持ちもありました。

しかしこの段階では、映画に関わる仕事にはどんなものがあるのか、その中で自分が何をやりたいのか、そういった具体的なことはまだわかりませんでした。だから、大学で映画を学び、その間に具体的な目標を見つけようと思い、実習が充実していることに魅力を感じた日大の芸術学部への進学を決めました。

きつい、ツライ。
でも、嬉しい、楽しい!
実習を通して、覚悟が決まった

実習は入学前に思っていた以上に充実していました。特に印象に残っているのが、3、4年次の実習です。夏休みを使って、チームで1作品を作り上げるのですが、思いがけないトラブルも起こります。朝日が昇るシーンを撮影する時には、ふさわしい時間帯が30~40分しかなくて、予定のカットをすべて撮れるのか、すごいプレッシャーを感じました。

しかし、やり始めたら、いい緊張感でスタッフがまとまり、短時間で撮り終えることができました。一緒におしゃべりをしたり、遊びに行ったりといった普通の同級生同士の関係では共有できない、濃くて素晴らしい時間を共有できたことが嬉しかったし、納得のいく映像が撮れたことに大きな満足感を覚えました。

実習中はツライ、きつい、と思っても、作品ができあがった時の嬉しさは最高ですし、自信も高まります。実習を通して、やっぱり映画は楽しい、自分が選んだ道は間違っていなかった、このまま映像関係の仕事に進むという覚悟が、どんどん固まっていきました。

仕上げの授業で色を
調整する楽しさを知り、
目標が明確に

実習を繰り返しながら、自分の進む仕事について考えている時期に、カラコレという色調整をする実習がありました。カラコレをすると映像がパッと華やかになります。色調整でこんなに変わるんだ! と、感動。もともと、具体的な表現よりも、「雰囲気を変える」といった抽象的な表現が得意なので、しっくりきたのだと思います。3年生で卒業後の進路を考えた時、カラーリストの道を歩もうと思いました。

今はカラーリストの募集も増えているのですが、当時はまだ募集自体が少なく、就職活動は難航しました。諦めかけた時にたまたま、今勤めている東映デジタルラボで技術職を募集しているのを見つけ、応募。合格することができました。

これからも知識を増やし、
新しい技術を吸収し続けたい

入社後アシスタントを経て、カラーリストになりました。仕事内容は、新作映画、ドラマのカラコレから、フィルムで撮影された古い作品のデジタルリマスターまで多岐にわたります。日藝では、フィルムからデジタルまで幅広く学べたので、その経験が会社に入ってから役に立ちました。特に大学でフィルムも扱っていた為、入社時からフィルムを扱えた事は役に立ちました。

現在はキャリアを積んでスキルアップしたと思いますが、それでも日々、知識を増やし、新しい技術を吸収し続ける事はこの仕事に欠かせません。日藝時代に感じた映画製作は辛いけど楽しくて充実している!その気持ちを今も持ち続けているので頑張れるのだと思います。好きな仕事だから、努力することか楽しい。ずっとこの仕事を続け、ずっと成長し続けたいと思っています。

(※職業・勤務先は、取材当時のものです)

小倉 奈々江 おぐら ななえ
2010年映画学科 撮影録音コース卒。36歳。
東映デジタルラボ株式会社勤務。

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