藝術とはなにか100年の間、私たちは問い続けてきた

日藝100周年記念動画製作:日本大学芸術学部
プロデュース 松島哲也 (映画学科教授) / プロデューサー 山田久人 (BABEL LABEL)
主演 池松壮亮 / 監督 藤井道人 
©️日本大学芸術学部 2022 資料映像・アメリカ国立公文書館 (NARA)・小山裕隆・松島哲也

スペシャル対談 俳優池松壮亮×監督藤井道人スペシャル対談 俳優池松壮亮×監督藤井道人スペシャル対談 俳優池松壮亮×監督藤井道人スペシャル対談 俳優池松壮亮×監督藤井道人

主演:池松壮亮さん、
制作:BABEL LABEL 藤井道人監督が登壇!
日本大学芸術学部創設100周年を記念し、
トップクリエイターが結集

日藝100周年記念動画
完成披露試写会・
記念トークを開催

芸術学部創設100周年記念制作動画試写会 ダイジェスト版

日本大学芸術学部は2021年に学部創設100周年を迎えました。2022年6月26日(日)に日本大学芸術学部江古田校舎大ホールにて、「日藝100周年記念動画」の完成披露試写会・記念トークが開催され、主演の池松 壮亮さん、藤井 道人監督、木村 政司学部長が参加いたしました。司会は松島 哲也映画学科教授が務めました。

 日本大学芸術学部は、昨年2021年で学部創設100周年を迎えました。コロナ禍で自由が制限される中、次の100年に向けた道標となりうる日藝100周年記念動画の制作を2年間の歳月をかけて準備してまいりました。

 本作は“芸術”とは何か?をテーマに、日藝出身のクリエイターが集結し、教職員、学生が一丸となって新たに生まれた短編作品です。主演は、本学の映画学科の卒業生であり近作に映画『宮本から君へ』や『ちょっと思い出しただけ』、来年には『シン・仮面ライダー』の公開を控え、日本映画界に欠かせない存在となって久しい俳優の池松壮亮さんが務めました。監督は、同じく映画学科を卒業し『新聞記者』で第43回日本アカデミー賞最優秀作品賞を受賞、時代の寵児と評される藤井道人監督に依頼。さらにプロデューサーは、新・映像制作集団として注目を集めるBABEL LABELの山田 久人さん、撮影監督は今村圭佑さんと、まさにこれからの映画界をリードするトップクリエイター同士の初のコラボレーションが実現しました。

 完成披露会後の記念トークでは、本記念動画制作の総合プロデュースに携わった日本大学芸術学部 松島哲也 映画学科教授および日本大学芸術学部 木村政司 学部長が進行の下、主演の池松さんと藤井監督がゲストとして登壇。この度どうして本学の記念動画制作で豪華コラボレーションが実現したのか、6分の短編作品に込められた意図などを語りました。

芸術とは答えの出ないもの。
 答えが出ないからこそ
  続けている。

日藝100周年記念動画のテーマ
「芸術とは何か?」に対する
藤井監督の眼差し

 今回の記念動画は、池松さんが覗くレンズを通して同大学の歴史と日本の歩みを俯瞰しながら、「芸術とは何か?」を問いかけるような内容に。

 一般的な大学PR動画とは一線を画し、約6分に渡る短編として作り上げた藤井監督は、「藝術学部を目指す人がワクワクする映像とはどういうものなのか?と1年くらいに渡り議論に議論を重ねました。池松さんにも協力をいただいて、面白いものを作ろうと。これから日芸を目指す方々へのエールを込めました。」と熟考の末に完成した力作だといい、「芸術とは答えの出ないもの。答えが出ないからこそ続けているのだと作りながら思いました。」と手応えを口にしました。

俳優をやる
 一人の日芸生として
  映像の中に立っていられたら。

本作主演・俳優池松さんが出演を決めた
日藝時代の思い出とは?

 本作品に参加した背景について、池松さんは「卒業できそうになかった僕を卒業させてくれた松島先生からご連絡いただいたので、二つ返事でやりますという感じでした。在学中の僕は褒められた生徒ではなかったので、自分が代表して前に出てもいいものかと思うところもあったけれど、俳優をやる一人の日芸生として映像の中に立っていられたら。」と述べました。

 そして、本作品が藤井監督と池松さんにとって初のタッグ作になることについて松島教授から言及されると、「一つ一つ、ワンカットワンカットを繊細に丁寧に積み上げていく様を見ることができました。人への寄り添い方、キャスト・スタッフに対しても丁寧で、表現力と忍耐を兼ね備えた素晴らしい監督だと思いました。」と語り、藤井監督の演出スタイルに全幅の信頼を寄せるシーンも見られました。

後輩たちへのエール

 最後に、後輩たちへのアドバイスを求められると池松さんは「芸術というものに触れたいと思う人には好きなだけやってほしい。芸術は人に与えられた武器ですから、社会や他者と接点を持っていくことを楽しんでほしい。」とエール。藤井監督は「今になって『あの時ちゃんと学んでおけばよかった…』と後悔することが今でもある。」と授業を真面目に受ける必要性を反面教師的に訴えつつ「ありきたりなことかもしれないけれど、大学で出会った仲間や友達を大切にしてほしい。」と後輩たちに語り掛けました。

そして、最後に池松さんは「俳優は誰でもなれます。」と断言。「ただどういう風にやっていきたいのか、自分の俳優人生をどのように進めていきたいのかは自分で考えた方がいい。誰でもできるし、誰でもなれるけれど、どれだけ続けてどんな表現をしていきたいのかは自分と相談すること。大学生活の4年間にそれを考えて悩んでトライしてほしい。」と第一線で活躍する先輩エールを送り、会場は大盛況のうちに幕を閉じました。

池松 壮亮いけまつ そうすけ

1990年、福岡県生まれ。2009年、日本大学藝術学部映画学科入学。
映画学科では監督コースを専攻し、卒業後は話題の映画・ドラマに多数出演。近年の出演作には映画「宮本から君へ」「アジアの天使」「ちょっと思い出しただけ」、ドラマ「オリバーな犬、(Gosh!!) このヤロウ」など。待機作として、AmazonOriginal オムニバスドラマ「モダンラブ・東京」が今秋世界同時配信。2023年公開の映画「シン・仮面ライダー」では主演を務める。

藤井 道人ふじい みちひと

1986年生まれ。日本大学芸術学部映画学科卒業。
大学卒業後、2010年に映像集団「BABELLABEL」を設立。伊坂幸太郎原作『オー!ファーザー』(2014年)で商業作品デビュー。第43回日本アカデミー賞では映画『新聞記者』が最優秀作品賞含む6部門受賞、他にも多数映画賞を受賞する。『青の帰り道』(18年)、『デイアンドナイト』(19年)、『宇宙でいちばんあかるい屋根』(20年)、『ヤクザと家族The Family』(21年)、など精力的に作品を発表しており、本年(22年)は映画『余命10年』が公開。今最も動向が注目されている映画監督の1人である。

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