日藝は「懐の深い大学」だからこそ、学んだ事と自分の個性を掛け合わせて強みを発揮する術を身につけられました。

鈴木 夏菜

イラストに興味を持ったのは幼少期から。
絵を描くのは得意かもしれないと気づかせてくれたお絵描き
教室。

イラストに興味を持ったのは、それこそもう幼稚園ぐらいの時からで、その頃からずっと興味があります。昔から常に絵を描いてるような子供だったので、絵を描いていてごく自然に褒められることが多かったですね。

小学校の時に通っていたお絵かき教室で、人が座っている絵を描く機会があり、先生が「クラス全員の中で、座っている絵をちゃんと描けたのは鈴木さんだけですね。」と言ってくれたことがありました。その時が「私は絵を描くことが得意かもしれない」と自覚をしたタイミングだと思います。

趣味としても絵はずっと描いていましたし、そこから派生して絵の仕事があると知った時に、これを仕事にしたいなと思うようになりました。イラストの仕事に就くために日藝に入りたくて、日大付属の中高へ通っていました。そのまま内部入試で進学することもできましたが、同学年の中で自分がどのレベルにいるのかを知りたくて、東京の美大をひとしきり受け、結果的に日藝にも一般入試で合格しました。

Moleskine横浜店でのライブペインティング

ウルトラセブン55周年記念アパレル

日藝は「懐の深い大学」。学んだことをストレートに生かすより個性を掛け合わせて自分の強みにしている人が多い。

デザイン学科では「コミュニケーションデザインコース」に所属していたので、平面ポスターのデザインや色彩構成はもちろん、学科の3コース制のおかげで苦手分野の立体や図面の授業も経験でき、苦戦しながらも良い経験をしたと思っています。学生時代もイラストを描くことは続けており、学内外のイベントに出展したり、知人から依頼を受けて絵を描いていたりしていました。学生時代に印象に残っている授業の一つにゼミで行った産学協同プロジェクトがあります。ある企業とのコラボイベントで、みんなで取り組み、校内にトリックアートで巨大な穴を出現させるというプロジェクトを完成させました。

日藝はもともとのびやかで自由な人が多いなと感じていましたが、入学後や卒業してからもイメージは変わりませんでした。大学を一言で言うなら『懐が深い』大学だと思います。卒業後、大学で学んでいたことをストレートに生かして活躍しているよりも、それぞれの個性とかけ合わせて自分の強み(仕事)にしている人が多いイメージです。

鈴木夏菜 関連画像- 卒業生インタビュー

MONSTROUSAオリジナルアパレル用イラスト

テレ朝系深夜番組「アルピーテイル」キャラクターデザイン

「自分は自分でいいんだな」そういう気持ちにさせてくれたのは、個性がバラバラな日藝時代の友人達。

親の後押しもあって自然とこの仕事を目指していましたが、大学卒業後はイラストで食べていける自信がなかったので広告代理店に就職したものの、激務から体を壊し休職しました。その時に「このまま死ぬくらいなら、やりたいことをやってから死のう」と思い、会社を退職して今の仕事を始めました。

「自分の頭で普段考えている妄想」、「自分が素敵だと思うもの」、「皆に投げかけたいこと」。これらをいいねと言っていただける人々と一緒にお仕事ができたり、個展でお話をすることが幸せだと思いますし、お仕事を依頼してくれる皆様のためにそれらをもっと明確に研ぎ澄ませていきたいと普段から自分を顧みるようになりました。

1人で仕事をしているとやはり人と比べたり、よく分からず他人に憧れることもあります。ですが、今も付き合いのある日藝時代の個性がバラバラな友人たちを見ていると、「誰1人同じ人なんていないから、自分は自分のままでいいんだな」という気持ちになることができます。また、他人を認めることで自分を認めるということを思い出させてくれます。これは長く仕事をしていくために、また人生を続ける上でかなり重要なことだと思っています。

鈴木夏菜 関連画像- 卒業生インタビュー

RAGEBLUE渋谷店での展示

鈴木夏菜 関連画像- 卒業生インタビュー

RAGEBLUEコラボ

学んだことを活かして、別の場所で輝く同期とコラボ。
その繋がりを感じる度に日藝で良かったと思います。

一緒のコースで学んだ友人が今、結構違うジャンルに進んでいて、コミュニケーションデザインコースだからと言って、グラフィックデザインだけをやっているかと言ったら必ずしもそうではないです。ミュージシャンもいれば、食堂を経営している人もいたり、陶芸家になっていたりと、自分の個性は残しつつ学んできた場所の延長だけではなくて、全然別の場所でクリエイティビティを発揮して仕事に繋げています。

そうやって日藝の同期が今それぞれの分野で活躍して有名になって、お互いに仕事を依頼しあったりコラボレーションをしたり、そういうことが最近増えてきたように思います。そのような繋がりを感じることができた時、日藝出身で良かったと心の底から思いますし、同期みんなの努力を感じて、何とも言えず嬉しく思います。

自分も、もっともっとイラストレーターとして有名になって、昔から大好きなバンドとも仕事がしたいですし、長く愛されるキャラクターを作って、死ぬまで仕事を続けたいですね。

Moleskine横浜店でのライブペインティング

(※職業・勤務先は、取材当時のものです)

鈴木 夏菜 すずき かな
デザイン学科コミュニケーションデザインコース卒。
おかしな日常=”異日常”をテーマに描くイラストレーター。宇宙人、ゴーストなど異形のものをこよなく愛する。主な仕事内容にウルトラセブンアパレルコラボ、アルピーテイルキャラクターデザインなど。月刊スピリッツにて読切を2作掲載、漫画家としても活動中。

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