みんなを笑わせる、
みんなで笑う。
そんな仕事で、
「千田ブランド」を
築き上げたい。

放送学科
千田 洸陽

自分の企画で人が動くのは面白い!
小学校のクラス劇で目覚める

小学4年生の時。「6年生のお別れ会」のクラス劇を、オリジナルの脚本でやることになりました。そこで書いたのが『桃太郎 VS 浦島太郎』。クラス42人全員の役を作りました。ホームルームで、いくつかの脚本の中から自分のものが選ばれた時は素直に嬉しかったですね。そして、自分が考えたとおりに皆が演じる姿を見て、なんとも言えない快感を覚えました。

だからと言って、演劇にのめり込む、なんていうことも特にありませんでした。好きなテレビのバラエティ番組などを見ながらなんとなく過ごしていた高校生のある日。母親が「テレビ番組について勉強できそうな学科が日本大学にあるよ」と言って、芸術学部のパンフレットを持ってきてくれました。設備充実、アクセス便利、そしてなんと言ってもそうそうたる卒業生たち! 「ここだ!」という感じで入学を決意しました。

日芸祭実行委員長として、最多来場者数を記録

放送学科なのでテレビオタクの集まりに違いないと入学前は思っていたのですが、そんなことはありませんでした。でもみんな、アニメや特撮、ビジュアル系バンド、ミリタリーなど、何かしらのオタク(笑)。自分はテレビ好きなだけで特に何かにのめり込んでいるわけでもないので、沼にハマっている人たちはうらやましいし、面白かったですね。学科内でも、学科を超えても面白い仲間がたくさんできました。

学生生活で特に印象に残っているのは、日芸祭の実行委員をしたこと。1,2年次は広報を担当し、3年次には委員長を務めました。それまで「芸術祭」と名乗っていたのですが、世の中には○○芸術祭が多くて検索に引っかかりにくいと感じ、以前からSNSのハッシュタグで使っていた「日芸祭」を正式名称にしたり、企画を工夫したりして、最多来場者数を記録することができました。「フラットにみんなで目標に向けて頑張ろう」とメンバーに呼びかけ、仲よく楽しく頑張れるチームづくりができたように思います。

チームをまとめる経験は、今の仕事にも役立っていると感じています。

学生時代~現在。楽しさがシームレスにつながっている

「テレビ制作専攻」では、番組をチームで作り、プロデューサーやディレクター、カメラ、照明、演出など、さまざまな役割を経験することができました。
その経験を通してそれぞれが自分のやりたいこと、専門分野を見つけていくのですが、僕はやはり自分が考えた企画を実現したい気持ちが強く、実習を通してディレクターになりたい気持ちが固まっていきました。ドラマやドキュメンタリーが多い卒業制作ですが、自分は「クイズ60プン」というバラエティを制作。しかもチームを組まず、あえて一人で卒業制作を作る道を選びました。自分の企画を自分一人で作り上げたかったから。自分の卒業制作もある忙しい中で「千田が面白いことするなら協力するよ」と言って、お手伝いとして参加してくれた多くの仲間たちに感謝しています。

こうした経験のすべてが、今の仕事につながっている。番組づくりに関わるいろいろな役割を経験したから、すべての職種にリスペクトが持てる。また、芸術学部の8学科は並列だと思って付き合ってきたので、何が上で何が下という意識なくどのエンターテインメントにもリスペクトを持っています。そして、自分の企画でみんなを楽しませたい、笑ってもらいたい、という気持ちも学生時代と同じ。予算や巻き込む人数はスケールアップしましたが、やっていることは基本一緒。

テレビ東京というほどよい規模感の会社に入ったおかげもあるのかもしれませんが、学生時代と今がシームレスにつながっているように感じています。

日常をもっと面白くするエンタメを目指し続ける

入社3年目に「若手映像グランプリ」という30歳以下のテレビ東京グループ社員が番組を作って競いあう企画を提案し、実現させました。自分も「14歳からのシュール」という番組で参加。中学2年生にシュールレアリスムとは何かを教え、「シュールレアリスムで何かを作る」宿題を出す番組でした。そこに参加した子どもたちの親御さんから「しおれていた息子が、この宿題には一生懸命取り組んでいました」などの「参加してよかった」という声をいくつも寄せていただき、「やってよかった」と心から思えました。これからもそんな「見てよかった、やってよかった」番組を作っていきたい。

テレビ局のディレクターって、会社員の安定性とアーティスト的な要素、両方のいい所取りができるお得なポジションだと思うんですよ。そしてバラエティ番組は、人に見たこともないものを見せてワクワクさせる、日常を面白くする存在。それを作る自分たちも、もしかしたら視聴者以上に楽しんでいるのかもしれません。こんなお得で楽しい仕事だから、長く続け「これは千田が作ったな」とわかってもらえるようなカラーを作品に込められる、自分ブランドが作れるディレクターになりたい。

そして、多分、会社員初の日藝賞、狙ってます!

(※職業・勤務先は、取材当時のものです)

千田洸陽 ちだ こうよう
2018年放送学科テレビ制作専攻卒。27歳。
株式会社テレビ東京 制作局クリエイティブ制作チーム 
番組ディレクター

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